二番茶のお茶刈り (その2)

 7月5日(日)、ゼミ生4人で、南山城村の茶畑へ行って作業をしてきました。

 午前6時44分、JR稲荷駅発の奈良線に乗ります。各駅停車で加茂駅に向かいます。

  関西本線「月ヶ瀬口駅」まで片道950円かかります。

  今朝も、茶摘み犬「はる」がお出迎えをしてくれます。
  はる「今日は、ネット張りの作業が終わったら、抹茶の原料になる『てん茶』の製造工程を教えてあげるね。」



 まずは、二人一組でネット張りの作業です。

 初めてにしては、うまく張れています。

 細い「うね」の間にはいって、クリップで固定していきます。


 草取りです。



 お茶刈りのほうは、すごいことになってます!

 「いいお茶はいい畑から。」 三浦春馬をめざします(笑)

 恒例の「軽トラでの記念撮影 !」です。

 女性陣は元気です!

 収穫した生葉をてん茶工場に運びます。

 コンテナに生葉を移し替えます。

 各コンテナには、風を送る装置が付いています。

 移し替えの作業はとても重労働ですが、実はこの床、リフトが付いていて、生葉をコンテナに移し替えやすいように昇降するんです! なかなかのすぐれものです。

 実はこの方法、静岡県の寺田製作所と木野さんが発案されたもので、特許を取得されています。寺田製作所は、1911年創業の製茶機械の老舗メーカーさんです。


 生葉は、まずコンベアで「昇降機」にはいります。

 写真まん中にある太い柱のような機械が「昇降機」です。生葉は、いったん上にあげられた後、カッターで切断され、蒸し機に投入されます。

 上の写真で、真ん中の奥に見えている黒いのが蒸機です。正確には「網胴(あみどう)回転攪拌式 蒸機(むしき)」といいます。
 生葉は、「網の胴」の中で「回転」され「攪拌」されながら蒸されていきます。攪拌することで、蒸しの「むら」をなくします。
 以前も書きましたが,この工程を「蒸熱」といいます。「蒸熱」は、酸化酵素の働きを止めたり、茶葉の青臭みをとり除くために行われます。
 木野さんによると、原料の生葉の硬さに応じて、蒸気の量、蒸機の傾斜角度を調節し、「生葉にピッタリあった蒸し加減」をきめるそうです。

 この蒸機は、静岡県の宮村鐵工所というメーカーが製作しています。1919年(大正8年)の創業で、業界シェアトップの老舗メーカーさんです。「お茶どころ」静岡県には、こういうニッチ・トップの企業さんがたくさん集積しているんですね。

 蒸し機の奥にはボイラーがあります。蒸気機関車の形によく似ていますね(笑)。これで、蒸し機のための蒸気をつくります。静岡県の平野ボイラーという専門メーカーさんが製作しています。

 蒸し機のところに戻ります。「生葉定量投入制御盤」です。これで蒸機に投入される生葉の量や蒸し時間を正確にコントロールすることができます。うーん、茶農家ってかなりハイテクです。

 蚊帳みたいで、ゆらゆらと上がっていのが「冷却散熱機」です。蒸したまま放置すると余熱で品質が劣化してしまいますので、この中ですぐに冷やします。

 冷却散熱機は「あんどん」とか「かや」と呼ばれます。

網の中で茶葉が舞い上がり、冷やされ、水分を飛ばします。

緑色の網の下はコンベヤになっていて、茶葉は「てん茶炉」へと運ばれます。

 右側が「てん茶炉」です。「てん茶機」とも言います。
 茶葉は、この中のベルトコンベアをぐるぐると行ったり来たりしながら乾燥されます。このあたりは、かなり高温です!

 とても熱くて、てん茶機の中をお見せすることはできないので、こちらの片岡製茶機械店さんのホームページをご覧ください。この会社は、京都府和束町にあり、てん茶プラントの設計・施工を手がけておられます。
 てん茶機メーカーさんは、京都府和束町や宇治田原町、宇治市に6社ほどあり、京都の得意分野です。

 炉からでてきた茶葉です。

 右側の黄色い機械は「選別機」です。「葉」と「茎」(骨)とを選別します。
 というのは、てん茶炉での乾燥を終えたあと、「葉」の部分はだいたい乾いているのですが、「茎」(骨)の部分はまだ十分に乾いていないからです。それで、別々に分けて、仕上げ乾燥をします。

 この緑色の機械は、葉の乾燥機です。

 こちらは、茎用の乾燥機です。
 茶農家は立派な『ものづくり企業』です !

 「大海(だいかい)」と呼ばれる茶袋にいれます。

 葉の部分のできあがりです。

 茎の部分です。

 「大海」を密封し締結して完成です。あとは、出荷を待つばかりです。
 葉の部分は、出荷先の工場の石臼で粉に曳かれて「抹茶」になります。

 奥様からスイカの差し入れです! ありがとうございます!!

 「開発コード***号」 新製品の試作品です(マル秘)。
 とっても美味です!!

 茶摘み犬「はる」とお別れです。
 はる「なおみちゃん また来てね !」

 帰る頃にはもうすっかり日も暮れてきました。
 木野さんと職人さんは、まだ、てん茶工場で作業をされてます。夜中まで続くそうです。うーん、お茶づくりは甘くない!
 それと、てん茶工場を見てわかったのは、「高級化」「高付加価値化」するためには高額の設備投資資金がかかるということ。「高付加価値化」を口で言うのは簡単だけど、それに対応できない茶農家はどんどん淘汰されてしまうのではないか。
 村の茶業を持続可能にするためには,その解決方法はどこにあるのか。生産品目を「煎茶からてん茶へ」シフトしていくだけでよいのか。どうすれば宇治煎茶の主産地・南山城村を維持できるのか。

 まだまだ模索は続きます。