南山城村産「抹茶入り煎茶」の特徴 (その1: 三煎目まで愉しめる)

 いよいよ一般販売の開始直前をむかえました。10/5の記者会見で、世間にお披露目です。また、10/9の企業懇談会では、商品に込めた思いを詳細にプレゼンテーションいたします。このあたりから、販促活動も本格化します。

 私たちの企画している商品は、「南山城村産100% 抹茶入り煎茶」です。

 この商品コンセプトを秘密にし続けると、これ以上プログが書けなくなってきました(笑)。これまで「ベータ」と書いてきたのは「南山城村産の抹茶」のことを指し、「アルファ」は「南山城村産の煎茶」のことです。大変わかりにくくて申し訳ありませんでした。

 さて、今後、この「南山城村産100% 抹茶入り煎茶」という商品コンセプトを、またそこに込めた「つくり手の思い」を消費者にきちんと正確に伝えていかなければなりません。消費者の方々にも、その「つくり手の思い」に「共感」して購入していただきたいです。

 ここに現時点のゼミ活動の焦点があります。「大学生がお茶で記念品グッズをつくってみたのね」と消費者に捉えられてしまっては本望ではありません。そうならないためには、言葉を丁寧に選んで、きちんとアピールいくことがとても大切です。
 表現するのが最も難しいのは、「煎茶単独」ではなく、「抹茶入り煎茶」にした意味です。抹茶×煎茶の相乗効果の説明です。
  
 私たち学生の込めた「思い」が、科学的根拠のない「思い込み」「思いちがい」になってしまっては最悪です。消費者にたいする背信行為でもあります。また、毎日毎日、天候に気づかい、真心こめて栽培している茶農家にも申し訳が立ちません。
 とはいえ、「科学的根拠」については、経済学部の私たちでは難しい面がたくさんあります。そもそも、深夜バイト生活・コンビニ生活やペットボトルに慣れてしまった私たちの舌や鼻はほとんど当てになりませんし、100グラム1000円のお茶は自分で買ったことがありません(笑)。
 それゆえ、専門家の方々の力を何度もお借りしなければなりません。専門家の評価がきわめて重要です。
 
 そのような観点から、9月2日、製造班の品質担当4名で、ある研究機関を訪問し、私たちの「抹茶入り煎茶」の詳細な「官能審査」をお願いしました。
 リーフ茶の品質は、人間の感覚で評価する「官能審査」でチェックされるのが一般的です。茶葉の「外観」を見て、その形状や色沢(しきたく)を評価したり、実際に熱湯で浸出して、その「水色(すいしょく)」、「香気(こうき)」、「滋味(じみ)」を評価します。茶の品評会もこのような方式がとられています。
 今回は、(1) 産地Aで採れた煎茶(参照基準)、(2) 南山城村の煎茶単独、(3) 私たちの「抹茶入り煎茶」の試作品、の3種類を比較していただきました。
 また、(a) 沸騰したお湯で淹れた場合と、(b) 80℃のお湯で淹れた場合とで検証していただきました。沸騰したお湯を使用する理由は、それによって欠点が顕在化しやすくなるのだそうです。

まず、茶葉の量を均等にします。


「外観」を審査しています。左が私たちの「抹茶入り煎茶」です。外観だけでもそうとうのことがわかるそうです。

左から「抹茶入り煎茶」、「南山城村の煎茶」、「産地Aの煎茶」と並んでいます。


熱湯を注いでいます。


これで「水色(すいしょく)」をみています。


すくい網で「香り」をみています。私たちも「官能審査」をさせていただきましたが、正直にいって、違いはよくわかりませんでした…(泣)。


「味」をみています。赤いコップは、「吐き出しコップ」といって、口に含んだお茶を吐き出すために使います。この「吐き出し」は私たちにもできました(笑)。が、やはりここでも、違いはおぼろげにしかわかりませんでした。自分ではずいぶんお茶の試飲してきたつもりではいましたが。
 研究員の方々は、違いをチョークで書き出していました。「官能審査は、実は審査する人がすごい!」と実感しました。
 高評価をいただくとホッとしてこちらも本当にうれしくなりますし、評価しにくそうに難しい顔をされているのを見ると、とても不安になります。


 私たちの「抹茶入り煎茶」についてのみ、特徴的な審査結果のみごく簡単に記すと、
 ・[抹茶の外観]・・・ 石臼で丁寧に挽かれているため、抹茶の粒子は細かい。粉末が均等に混ざっている、色がしっかり出ている。
 ・[煎茶の外観]・・・ 茎がきれいに選別されている、茶葉が締まっている、色が統一されている。
 ・[抹茶入り煎茶の香気]・・・ ベースになってる煎茶が高級で香りがしっかりと強く出ているため、抹茶の香りが「やや弱め」と感じられるかもしれない。仕上げ加工業者さんのところで抹茶の「火入れ(仕上げ乾燥)」をもっと強くすれば、もっと香りが強く出るが。。。


 最後の、「火入れをもっと強くして、抹茶の香りをもっと前面に押し出すかどうか」は、商品戦略を左右する大問題です。私たち自身が判断し解決しなければならない問題です。
 「抹茶の香りを前面に出す」方法は、ほかにもあります。抹茶の等級をもっともっと上げていく方法や、抹茶の量をさらに増量していく方法です。この場合は、目標原価の壁が立ちはだかってきますので、もし抹茶の等級をもっと上げていくのならば、抹茶の減量をしなければならなくなります。逆に抹茶を増量するならば、グレードを下げなければなりません。
 試飲会はもちろん、自分たちでも何十回も試飲をし、ずいぶんと悩みました。が、私たちは「南山城村の個性を表現したお茶」をめざしていますので、あえて無理に「火入れ」をもっと強くするようなことはお願いせず、「村の煎茶の強みを活かすように抹茶を使おう」「もとの試作品の配合比率3%のままでいこう!」と決断しました。
 
 本当に難しい問題です。逆に、「南山城村のお茶がもつ個性を活かす」(煎を効かせる)のも、度が過ぎると、今度は「抹茶入り煎茶」にした意味が薄らいでいきます。そのうちに、だんだん「いっそのこと、煎茶のまま飲んでいただいたほうがよいのでは」という気になってきて、煮詰まってきます(笑)。
 そんなとき、製造班(品質担当)の合言葉は、村の茶農家さんの名言
 「いいお茶かどうかは、生産者が決めるのではなく、消費者が決める」
です。

 ということで、とにかく試飲会を続けました。その中で、
 「抹茶が入っているので、飲みやすい」
という声だけではなく、
 「一煎目は抹茶が主体だが、二煎目・三煎目は煎茶が主体で、ちがった味と香りを愉しめる」、
 「二煎目・三煎目まで、まろやかな味と香りが持続する」
 という声が多いことに着目し始めます。

 最終的には、「南山城村のお茶の個性」とは、下のようなものではないかと認識するようになりました。

 「霧深い独特の自然条件が育み、茶農家の徹底した茶園管理の結晶である村の煎茶は、『しっかりと造り込まれている(煎が効いている)』ので、二煎目・三煎目まで、渋み・苦味が少なく、まろやかな味と香りを愉しめる」。
 ※最後の文言は、まだ科学的な検証によって裏付けられたものではありません。