南山城村産「抹茶入り煎茶」の特徴 (その2:石臼挽きの抹茶を3%配合)

 9月2日の官能検査の結果を受けて、9月11日の試飲会での評価をいただいた後、9月25日には、「てん茶から抹茶への石臼粉砕」や「煎茶と抹茶とのブレンド」をお願いする問屋 兼 仕上げ加工業者さんを訪問しました。
 問屋さんは、JA茶市場をはじめ、多数の茶農家や専門小売店とたくさんの取引をされているので、経済学的に言うと、「生産情報と市場情報の結節点」になっています。私たちにとって有益な情報が凝縮されて集まっています。
 消費者からは見えない「縁の下の力持ち」的な存在ですが、「情報の結節点」なので、とても重要な役割を演じています。私たちの「抹茶入り煎茶」のヒントをいただいたのも、実は問屋さんです。
 今回の訪問では、とくに、私たちの「抹茶入り煎茶」の製品・製造技術面での特徴を再確認してきました。
 「抹茶入り煎茶」は、私たちが一番手ではありません。大手企業も積極的に商品化し市場に投入しています。
 大学図書館にある日経のPOSデータを調べると、緑茶部門のトップ30の中で「抹茶入り煎茶」は上位に位置しています。しかも、私たちが予定している販売価格よりずっと安価です! (下記のデータは今年8月時点のもの。TBはティーバッグの略です)。

 市場に出回っている他社製品と比べてどのような「差異」があるのかを言葉で説明できるようにすることは、とても重要です。

 下記の4点が、プロの目から見た、私たちの「抹茶入り煎茶」の特徴です。(もちろん、「宇治煎茶の代表格=南山城村の煎茶」などもっといろいろありますが、最低限で)。
 1. 石臼挽きの抹茶、
 2. 抹茶を(内容量全体の)「3%」も使用(類似品は「1.5〜2%」程度)、
 3. 「煎茶」も「てん茶」も「一番茶」のみを使用 (類似品は「二番茶以降」を使用)、
 4. 茶葉はどちらも南山城村産 100% (類似品は「国産茶葉」)。
 ∴ 一言でいうと、類似品と比べて「高級」。

 1の「石臼挽き」は、前回ブログでも書いたように、今回の私たちの「抹茶入り煎茶」のイチ押しの一つです。
 では、「石臼挽き」は、他の機械による粉砕法と比べて、どこがどうスゴイのでしょうか。
 本当は体験をしてみたかったのですが、私たちのような素人がクリーンな工場内にノコノコ入っていって作業をすることはかえってご迷惑になるので、今回は同社の会議室でみっちりお話をうかがってきました。

 キレイな緑色の円筒が石臼です。上臼と下臼があり、合わせ面に溝が刻まれています。上臼の上に置かれた円錐形のものは「ホッパー」といい、ここから葉が供給されます。
 
 石臼は、材質は柔らかい花崗岩で、直径は33センチメートル、上下の重さは26キログラムで、電動式です。他の機械粉砕にくらべて、「石臼挽き」の特徴は、下記の点にあります。
 1) 粒子がきめ細かく、平均5〜10ミクロン(1メートルの100万分の1の大きさが「ミクロン」)以下であること、
 2) 回転しながらすりつぶす粉砕方法をとるために、粒子が多面体になり、口触りがまろやかになること、
 3) 粉砕中は、上臼と下臼の間のすき間を通るため、密閉性が保たれやすく、香りの飛散や色の変化を防ぐこと、
 4) 上臼と下臼」の摩擦面は60℃程度の温度になり、自然な焙煎効果があり、奥の深い香りをみだすこと、これが「てん茶の(覆いによる)香り」とは違った「抹茶独特の香り」をうみだすこと、
 5) 1台の石臼を8時間稼働させても、200グラムから300グラムの抹茶しか生産できないこと。
 つまり、石臼で挽かれた抹茶は、手間暇かけてつくられた希少なもので、「香り」がよく「まろやか」だといえます。また、「てん茶」の栽培過程も、「覆下栽培」方式なので、茶農家の「思いの結晶」だといえます。私たちが村の畑で何度か行ってきた「てん茶のネットがけ」作業も、遮光して「まろやかさ」をだすための重要な作業です。なので、もちろん私たちの「思い」も込められています!

【追伸】
 宇治茶の専門店には、(手動)石臼挽きの「抹茶づくり体験」を行っているところもあります。例えば、平等院の表参道にある三星園上林三入本店さんは、気軽に楽しめる工夫がなされています。ぜひ、一度お立ち寄りくださいませ。