2回生ゼミの近況

 2回生ゼミでも、南山城村の茶農家さんと連携して、お茶づくりを継承・発展させていくことになりました!
 まずは、今後の茶業振興策、宇治茶の製造戦略・マーケティング戦略をさぐるための基礎学習として、まずは「川下」段階の日本茶カフェ、茶問屋、茶舗を調査しています。

 先週までに、皆で手分けして、和カフェちゃらん、和カフェ木の音、福寿園京都本店、通圓、堀井七茗園、松坂屋嘉八本店、丸宗、お茶のかんばやし、伊藤九右衛門、茶匠ふじ井、三星園上林三入本店を訪れ、各社の販売戦略や経営理念を中心にインタビューしてきました。
 うれしいことに、私たちの「雫」をご存知の方もいらっしゃいました!
 
 その報告を検討していく中で、以下のような商品コンセプトが浮かび上がってきました。
(1) 「雫」を極める
冷茶で「雫」: 「抹茶入り煎茶 雫」は冷茶にしても美味しいのではないか、冷茶なら「ペットボトル感覚で本物の宇治茶を愉しめる」のではないか、という仮説にもとづいています。
 お茶は、高温で淹れると苦みや渋みの成分が溶け出し、低温で淹れると甘み成分や旨味成分が引き出されます。
 「雫」の商品コンセプトの一つである「渋み・苦味をおさえる」路線を継承・発展することにもつながります。「氷の雫一滴一滴でゆっくり抽出する」(笑)という意味でも、夏の「ポスト新茶シーズン」対応商品という意味でも「継承・発展」です。
 先行事例には、今年のヒット商品のハリオグラス社の氷出し茶ポット、水出し茶ポット伊右衛門サロンの氷出してん茶、水出し茶器セットがあります。
 急須の場合よりも面倒になり時間もかかることを消費者はどう考えているか、家庭の冷蔵庫の氷を使用しても美味しいのか、氷出と水出とではどちらが美味しいのかなどを今後調べる必要がありそうです。
(2) ECOを前面に押し出したお茶
 一例は、京都グリーン購入ネットワーク日本農業機械工業会「農業機械におけるバイオ燃料の利用促進に向けた取り組み手法の調査・分析に関する調査報告書」2008年3月,pdfファイル童仙房茶舗の無農薬・有機栽培日経ビジネスオンライン「【隠れた世界企業】有機で拓く鹿児島茶の道」
(3) 「健康」を前面に押し出したお茶
(4) 南山城村産の「和紅茶」
 よく知られているように、1971年の紅茶の輸入自由化までは、日本でも全国各地で紅茶が栽培・製造されていました。
 戦前では、1909年、三井農林の前身・三井合名会社が台湾に茶園と工場を開設し、1927年に、日本初の国産ブランド紅茶「三井紅茶」を発売しています(1930年に「三井紅茶」という商標は「日東紅茶」に改められます)。
 歴史をもっとさかのぼると、維新政府は、1874年、内務省勧業寮農政課に製茶掛を設置して、「殖産興業政策」の一環として、紅茶の製造を奨励し、生糸に並ぶ輸出産業として育成しようとしていました(角山 栄『茶の世界史―緑茶の文化と紅茶の社会』中公新書、1980年を参照)。

 私たちが紅茶に着目したのは、「もし1本の茶の樹から、緑茶と紅茶の2種類のアウトプットができたら、産地の発展につながるのでは」という思いからです。おそらく、当時の内務卿の大久保利通も似たようなことを考えたのではないか(笑)と勝手に想像しています。
 経済学では、このような「共通生産要素を用いて複数の生産物を生産する」メリットのことを「範囲の経済性」といいます。大量生産によるコスト低減のメリットをねらう「規模の経済性」と対をなす考え方です。
 もちろん、「べにふうき」「べにひかり」など紅茶に適した茶の品種があることや、萎凋(いちょう)や発酵など、緑茶とは異なる製茶プロセスが存在することは承知しています。
 が、なんらかの方法でそれを克服して「インド・スリランカ産の輸入紅茶に比べて苦味・渋みが少ない和紅茶」ができないかと模索中です。
 先行事例は、中尾園茶舗(和束町)椿堂の「京都紅茶」月ヶ瀬健康茶園かたぎ古香園(滋賀県・朝宮茶)伊勢の和紅茶生産協議会(三重県松坂市)、丸子(まりこ)紅茶、静岡紅茶うれしの紅茶枕崎紅茶蒲生紅茶沖縄ティーファクトリー(琉球紅茶)
 参考資料としては、紅茶の話(キリンビバレッジ)「紅茶の作り方」(日東紅茶)日経ビジネスオンライン「【農業新時代】安全美味、国産紅茶に見る古くて新しい道」、同「【農業新時代】いくら農家が正直なものを作っても、需要がなければ続きません」。



 今後はまず13日(金)に、2回生ゼミ生全員で、宇治の老舗茶舗の三星園上林三入本店を訪問し、抹茶づくり体験をさせていただきながら、今後の宇治茶の販売戦略や私たちの商品コンセプトなどについてインタビューをさせていただきます。また、店主さん(全国茶審査技術競技大会6段認定鑑定士)に「雫」を試飲・講評していただきます。
 今後の私たちの製造・マーケティング戦略策定に活かします。

 今日のゼミでは、各自、マイ湯呑を持参して、教室で「雫」の試飲会をしました!

 「こ、濃いっ」
 「葉っぱ入れすぎ」
 「お湯をもっと冷まさんと」

 急須のふたの下についている簡易茶こしだと、茶葉がうまく開かず、美味しく淹れられません。一見、便利そうに見えるのですが。100均の限界ですかね...
 他方、茶こしをとってしまうと、葉っぱが内側の注ぎ口に集まってきてしまい、湯呑にゾロっとでたり、注ぎ口が葉っぱで詰まってしまいます....。

 先日、美好園さんからいただいた三重県四日市の伝統工芸品、萬古焼の紫泥急須は、内部にステンレス・メッシュの茶こしが張られていて、かなりの優れものです。これだと、うまく蒸れて、なおかつ、葉っぱも湯呑に入っていきません!
 また、紫泥急須は、鉄分をたくさん含んだ粘土を使用しています。還元焼成された鉄分とお茶の苦味・渋みが化学反応して、まろやかな味になるそうです。

 「おーい、まだか〜」
 これだけ多人数の場合には、「マイ急須」も必要だということがよくわかりました。
 毎週「お茶当番」つくって特訓しますかね(笑)。全員、日本茶検定を受験するのもいいかも。

今日は、とうとう班分けもしました。前回までは分け方に悩んでいましたが、「全体の目標が決まるまで、茶業の川上から川下までバランスよく考慮する。当面は、名前の順にランダムに分けて、複数の企画案を出し合う」ということになりました。