「宇治茶の歴史・文化・わざ」第2回 【わざ篇】を南山城村で開催 !

 5月16日(日)、龍谷大学エクステンションセンター(REC)主催で、「宇治茶の歴史・文化・わざ」の第2回「わざ篇」を南山城村で開催いたしました。
 今回の講師は、NPO法人南山城村 茶ECOプロジェクト」理事長・木野正男さんです。
 大阪・滋賀・京都・奈良から21名の方が参加されました。
 午前9時30分に月ヶ瀬口駅に集合した後、約30分 ハイキングをして木野製茶園に到着。


 木野理事長さんのご挨拶と本日の概要説明です。
【1. 茶摘み】

 植えて3年経った「うじひかり」の茶畑で茶摘みをします。
 「うじひかり」は、京都府立茶業研究所の育成品種で、てん茶・玉露用品種です。
 「来年はもっと大きくなってるから、また見に来てください」とのこと。

 「1芯2葉」摘みを習っています。



 正午まで茶摘みをしました。

 お昼休みの最中は、別の畑で開催されていた「茶畑コンサート」を聴きに行く方もいらっしゃいました。


【2. 煎茶工場の見学】

 昼食後、煎茶工場の中を見学します。
 乗用型摘採機「ななこ」の説明です。

 可搬型摘採機です。
 乗用型摘採機が入らないような所で使われます。

 「夫婦の息がピッタリ合わないと、うまく刈れないんです」

 中へ進むと、合組機がありました。


 合組したばかりの新茶の香りを確かめてます。
 「うーん、いい香り!」

 一般に、煎茶の製造工程は、蒸熱→粗揉→揉捻→中揉→精揉→乾燥の6工程からなります。一言で言うと、「蒸した茶葉を、よく揉みながら乾燥し(針のように)形を整える」プロセスを指します。

 写真は、粗揉機です。この工程で、最初の乾燥が行われます。
 蒸機で蒸された茶葉を攪拌し、揉み手で揉みながら熱風乾燥を行います。

 熱風温度、茶温、含水率などを制御する装置です。

 揉捻機です。ここは、唯一、熱を加えずに揉む工程です。
 粗揉後、茶葉に圧力をかけ、回転させながら、水分を揉みだすようにして、全体の水分含量を均一にします。

 揉捻機には、「ひる」と呼ばれる金属棒が円盤に放射状に取り付けられています。上から圧迫されて揉まれます。


 精揉機です。
 茶葉を乾燥させながら、針のようなまっすぐな形にする工程です。
 曲った形をしている玉緑茶、ウーロン茶、紅茶にはこの工程がありません。ピーンと真っ直ぐな形をしている煎茶独特の工程です。
 この工程の良しあしが、お茶の外観に大きく影響します。
 「品評会でも普通の取引でも、煎茶の外観はとても大切」とのこと。

 精揉機の内部はこんなふうになっています。
 真ん中の、黒っぽい洗濯板のような凹凸のある弧状の板の上で揉むことで、葉が細長く撚れて針のような形になります。この「洗濯板」は、下から加熱されています。
 「洗濯板」の上にある黄色っぽい金属は、茶葉を抱え込んで、前後に動いて茶葉を回転し、針状に整形していきます。
 左右の「ほうき」は、茶葉を掃いて循環させる役割をします。

 .....というようなことを木野さんはおっしゃっていたように記憶しております(汗)。
 念のため、家に帰ってから、武田善行編著『茶のサイエンス』(筑波書房、2004年)で復習しました。



【3. てん茶工場の見学/質疑応答

 抹茶の材料をつくるてん茶工場には、煎茶のような、<揉む>という工程がありません。
 右の「かや」のような形をしているのが、冷却散茶機です。風力で吹き飛ばしながら、葉についた露をとばします。
 蒸機で蒸熱した後、そのまま放置すると余熱で変質してしまいますので、この冷却散茶機で冷やします。



木野さんの「お茶づくりかける心意気」を伺っています。

 できたての新茶をお持ち帰りいただきます。



【受講者の感想】
 伊達研究室の学生が受講生の皆さんにお願いして、アンケートをとらさせていだきました。来年の参考にさせていただきます。ご協力ありがとうございました!


・「来年もぜひ参加したいです。すべてが初めてのことばかりで心が躍りました。我々が何気なく消費しているお茶を生命として感じることができ、とても貴重な体験をさせていただきました。また、木野さんにいろいろとお話をうかがうことができたのも非常によかったです」(20歳代・女・京都府)。
・「はい!来年も参加したいです。楽しかったから。お茶の上手な摘み方や美味しいお茶の淹れ方などを教えてもらえるとうれしかった。でも、良い体験ができて、うれしかった」(20歳代・女・滋賀県・親と参加)。
・「知り合いができたので、来年もまた参加したいです。生産者(木野さん)の生の声が聞けたのがよかった」(30歳代・男・大阪府・1人で参加)。
・「木野さんの人柄に惹かれました。来年も参加したいです」(40歳代・女性・滋賀県・夫婦で参加)。
・「満足」(40歳代・男)。
・「来年は、類似した・少し異なった内容ならぜひとも参加したい。大変よい経験になりました。ご主人のお話 大変おもしろかったです。ありがとうございました」(50歳代・男)。
・「来年はまだわかりません。おいしいお茶ができるまでの工程は繊細かつ大変な作業だということがよくわかりました。お茶を一服するときも、これを思って、ありがたく頂きたいと思います。<提案>小中高生等にも、遠足等で積極的に周知されたらいかがでしょうか。月ヶ瀬口駅のトイレの改装をすれば、観光客の誘致にも弾みがつきます。今のままでは汚すぎます」(50歳代・女・京都府)。
・「摘み方のコツがわかったところで終ってしまった。楽しかった。お茶つくりについての木野さんの話がよかった」(女・滋賀県・ご夫婦で参加)。
・「来年は、都合が合えば来たいと思います。良い葉を上手に摘むのは難しいなと思いました」(50歳代・女・大阪府・1人で参加)。
・「よかった。初めてで楽しかった。奥が深いと感心しました」(50歳代・女・滋賀県・親子で参加)。
・「来年もできれば参加したい。お天気もよく、新緑に囲まれて楽しい時間でした」(60歳代・女・滋賀県)。
・「勉強になりました。茶の工程がわかり良かった」(60歳代・女・大阪府)。
・「楽しく有意義な時間をすごせました。新しく発見した事柄がありました」(60歳代・女・京都府)。
・「来年も参加したい。おもしろかった。うまく茶ができたら是非とも参加する。茶摘みは大変なことが理解できた」(60歳代・男・奈良県)。
・「来年については<?>。製茶にコストが高くつくことがはかりました。」(60歳代・男・大阪府・1人で参加)。
・「来年も参加したい。お茶畑の成長を知りたい。お茶摘みが体験できたことが楽しかった」(60歳代・男・大阪府・1人で参加)。
・「来年も参加したい。癒し効果がある。労働だと思いました」(60歳代・男・京都府・友人と参加)。
・「楽しかったので来年も参加したい。若い人達と交流できた。田舎の生活、風景がきれいだった」(60歳代・女・滋賀県・1人で参加)。
・「来年は若者と一緒に来たい。『茶の木』のイメージで、手先が痛くなると思っていたが、新芽は、草といょしょで、やわらかい。天ぷらにして食べる感覚がよくわかった。思っていた以上に大型の機械で処理されていた。『何事もしんぼう』。40年の重みをご主人が示されていた」(60歳代・男・京都府)。




 最後に、主催者を代表して、受講生の方々にお詫びしなければならないことがあります。それは、当初予定していた「自分で摘んだ葉を製茶して『マイ宇治茶』を愉しむ」ということが、諸事情により実現できなかったことです。深くお詫び申し上げます。「マイ宇治茶」の製作を楽しみにしておられた方々には大変申し訳ないことをしてしまったと反省しております。
 私自身も、「新茶シーズンのマイ宇治茶の茶摘み・製茶」の困難さを痛感いたしました。もし来年も実施する場合は、何らかの形で必ず改善をはかりたいと考えております。
 どうか、今後ともよろしくお願いいたします。