紅茶製造法ノート (3) 発酵・乾燥

 4. 発酵
 発酵工程の目的は、適度な温度と温度環境のもとで均一で十分な発酵を行わせることである。発酵は、萎凋とならんで、良質の紅茶をつくる重要な工程である。
 揉捻を終えた茶葉は、温度25〜28℃、湿度100%に近い状態の発酵器に入れ、均一な発酵を促進させる。
 湿度85%以下では、発酵にムラが生じ、やや水色が劣る。
 発酵器内の茶温は、発酵の良し悪しを決める重要なポイントになる。
 月ヶ瀬健康茶園の発酵方式は、木箱に茶葉を入れてから、その木箱に濡れたタオルをかけるという手法であった。研修の日は気温が高かった(約24℃)ので、エアコンを作動させずに約120分間、発酵させた。気温が低い場合はエアコンで温度を調節する。
 青臭さがわずかに残り、甘い香りが出てきた頃が発酵の適期である。この適期を目安に発酵器から取り出し、すぐに乾燥機で発酵を止める。これが良質な紅茶をつくるポイントだ。
  発酵の際に生じる葉温の熱は徐々に小さくなっていき、上昇値の幅が0℃になる手前で発酵器から取り出すのがベストだ。
 このときに青臭さみがなくなっていると良い紅茶であると判断できる。

 投入時の気温は20.5℃。

 5.乾燥
 乾燥の主な目的は2つある。
 1つ目は、乾燥によって醗酵を止めるためであり、2つ目は、商品としての仕上げのためだ。
 作業内容としては、100℃以上(約110℃)に温度を上げた乾燥機の中に茶葉を入れる。そして、乾燥を進めていく際に、棚の1段目と4段目、2段目と3段目を入れ替え、それぞれの棚の茶葉の温度をなるべく均等にする。

 手で触り、乾燥棚全体(1〜4)の茶葉の湿り気が無くなり、葉の茎が折れるようになったら、最終乾燥に入る。
 最終乾燥は、乾燥棚の温度を70から80℃まで落とし、乾燥させる。
 なぜ110℃のまま乾燥させないのかというと、高い温度のまま最終乾燥をさせてしまうと茶葉が焦げてしまい、でき上がった紅茶に焦げた香りがついてしまうからだ。
 最終乾燥を終えると、棚から茶葉を取り出し、荒熱を取り、紅茶が完成する。
 お茶はどれだけ乾燥させても、約3%は水分が残るそうだ。紅茶製造の最終段階となる乾燥を怠ると、袋詰めにしたときにカビが生えてしまう危険があるので、乾燥は非常に重要な作業だ。