気仙茶の魅力を知るために雫石へ

 5月4日(水)、陸前高田訪問を終えて、盛岡に戻りました。
 その後、新幹線で仙台別院に戻る組と、盛岡で宿泊する組とに分かれました。
 翌5日(木)、仙台組は、西本願寺・仙台別院を拠点に、岩沼市瓦礫撤去のボランティアをした後、仙台発の夜行バスで京都へ戻りました。

 盛岡組は、雫石市の焙茶工房「しゃおしゃん」を訪ね、気仙茶の魅力を探りました。 

 まずは、焙茶工房「しゃおしゃん」について報告します。
 朝、盛岡から田沢湖線で雫石に向かいます。


 田沢湖線の車両です。 

 「雫」という文字に反応してしまいます。

 雫石駅で降りると、駅前で前田さんと佐藤さんが待っていてくださいました。
 車に乗せていただき、工房に向かいました。

 工房は、普段は非公開で、試飲サロンの営業の時だけオープンします(1日3組限定)。予約すると地図が送られてくる、という仕組み。
 確かに地図なしでは、通り過ぎてしまいます。
 まさに「隠れ家」です !


 ご自分で建てられた工房の中の様子です。

 炭をおこし、南部鉄瓶でお湯を沸かします。


 台湾式の茶器。聞香杯で香りを愉しみながら、いろいろな年の・いろいろな加工法の気仙茶をいただきました。気仙茶 初体験です!
 
 「清らかな香と味、ほんのり甘くて渋い」。


 言葉で表すとこんな感じでしょうか。
 二煎目も、一煎目と同じ味と香りがしました。
 
 ウマ味重視の宇治茶はもちろんのこと、静岡茶や鹿児島茶には無いような「清涼感」。
 その「清涼感」が、在来種の茶樹の樹齢からくるのか、無農薬・無肥料栽培からくるのか、萎凋や軽発酵からくるのか、それとも蒸しや釜炒りからくるのか、私にはよくわかりませんが、おそらく、その全部なのでしょう。
 茶の樹、茶園の持ち主、皆で摘んだ時の写真を拝見し、エピソードを伺い、あれこれと想像しながら気仙茶をいただくのは、とても贅沢な時間だと感じました。
 


 前田さんは、もともと、中国と台湾で、無農薬茶・無肥料茶の製造(焙煎)を修業されました。
 日本でも茶が育つ環境にこだわったお茶づくりを模索していたところ、地元岩手の気仙茶を「再発見」されます。
 そして、2005年から、陸前高田大船渡で、「10年以上摘んでいない」と言われる茶の樹から葉を摘み、お茶にして、ごく少量のみ販売することを始められました。
 その後は、毎年、陸前高田大船渡の数箇所で、手で摘んでは、JAの製茶工場で製茶するほか、一部は、台湾式の萎凋をして軽発酵茶を作ったり、釜炒り緑茶にしています。


 大事に大事に淹れてくださった気仙茶をいただきながら、気仙茶にまつわるお話をたくさん聞かせてくださいました。
 ・気仙茶は、ほとんどが畦畔茶園。用途も自家用で、摘んできた皆さんは、地域や家族とのつながり、作り続けてきた「記憶」とのつながり、日々の生活の中での「ひと手間」を大切にしておられる。

 ・自家用なので、農薬も肥料もほとんどゼロに近い状態。茶樹も樹齢が古いものが多く、樹齢100年近い茶樹が其処ここに元気に育っている。
 ※「しゃおしゃん」のブログには、茶の樹や茶摘みの様子が掲載されていますので、ぜひご覧ください!  

 ・JAの製茶工場には、約100軒近い方が生葉を搬入する。生葉で2キロ、4キロという少量のケースが多く、皆さん、自家用として、家族で摘んだり、親戚や近所に声をかけて摘んだりしながら、少しずつ工場に持ってくる、という感じ。

 ・どのお茶の樹も、かつては家族で摘んで飲んできた歴史のあるものなので、「しゃおしゃん」でお茶づくりをしたら、まず茶の樹の持ち主の方に召し上がっていただくことを大事にしてきた。

 ・蒸し製の緑茶が主。茶葉に力があるので、何煎も淹れられる。数年間寝かせた緑茶を焙煎したものは、甘みやコクが増して、とても深い味わいになる。