茶畑活動日誌 (7月20日)と気仙茶

 7月20日(金)。

☆活動14回目☆
 今回は、天気予報で「雨」と出ていたが、早朝から木野さんと連絡を取り、作業に行くことが決まった。

 行く道中、自分の判断を心配したが、駅に着くと少し晴れ間があり、なんとか作業をすることができた。

 前回ネットかけをした茶畑へ向かい、ネット巻きとゴミ取り、茶の摘採を行った。

 ネット巻きは三人の連携プレーなので、みんなで協力し、すぐに終わった。


 ゴミ取りも終わり、次に乗用型摘採機「ななこ」で摘採が始まった。

 早朝に雨が降ったため、茶葉に露が着いていた。
 摘採する前の茶葉についた露を機械で吹き飛ばしていく。
 田辺くんが機械を背負っていたので、「羨ましいな」と思いつつ、摘採作業をお手伝いした。

 途中でポツポツと雨が降ってきて作業が終わってしまうと思いきや、少しするとやむという変わった天気だった。
 雨が降ってしまうと、せっかく吹き飛ばした露も台無しになってしまう。
 そこで、「ななこ」の前に機械を背負った田辺くんを配置。

 私達は、茶畑の脇に生えていた長い草を持って露を弾き飛ばす作業をした。
(長い草は雨が降ってきてしまったので写真を撮れなかった。)


 雨が本降りになり、区切りが良いところで作業を終了させて、休憩した。


 休憩では、私の大好きなトマトをいただいて、一つまるごと丸かじりをして食べられる幸せを感じた。
 (美味しくて二つも食べてしまった。笑)


 そして雨の中、外していたネットを再び元に戻し、雷が鳴る中、トラックの荷台でビチョビチョになりながら帰った。

 いつも思うが、このような体験も新鮮なもので、「いい経験をしているな」と感じた。
 今後は、今日の茶畑の摘採したところから更に5センチから10センチ刈る作業をする。
 それにより、樹の高さが高くなりすぎて作業しにくくなるのを防ぐことや、新しい芽が出てくるなどの利点がある。

 期間は7月の今頃から8月10日ぐらいまでに行うそうだ。

 また、茶の樹についている苔だが、実は樹の養分を吸っているのであまり良くない、ということも教えてもらった。


 お昼を頂いて皆で休憩し、午後からの活動に控えていたが、あいにくの天気で作業をすることが出来なかった。

 しかし、木野さんとお話する機会を設けてもらい、今後の作業と、気仙茶のことについて聞くことができた。


◎今後の作業:
 来週金曜日を持って、とりあえず終了、続きはお盆あけになる。



◎気仙茶について
 (1)木野さんに、中切りをする時期について話を聞いた。
 木野さんが言っていたのは、次のようなこと。
 「15度以下で茶の樹は冬眠するので、本来は、15度以下で茶の樹を中切りする。
 暖冬など気温が上がってしまうと、芽が出てしまい、また切らなければならない。
 その行為を繰り返すと、茶の樹が弱くなってしまう。根がやられているのと同じ状態になる。
 桜前線とともに気温が暖かくなるため、茶の芽が出る。
 紅葉前線とともに気温が下がるため、成長が止まる。
 茶の樹はこの時期を目安にして動いていくのが適切である」。



 (2)「中切り」をこの時期にしてしまうと、気温の上昇でまた芽が出てしまうことから、「肥料は欠かせない」とも言っていた。
 菜種油などを絞ってできた油かすは肥料として良く、木野さんのところでも、(ホームセンタなどの物でなく)いいものを取り寄せしている(オオタ、ヨネザワなど)。

 しかし、虫が寄ってきやすいのが欠点。
 そのような欠点もあるので、
「最初は、油かすをまくのではなく、窒素が多い肥料をまくのが最適」
と、何度も木野さんは言っていた。

 「気仙茶は、漁港も近いし、窒素の多い肥料をあげて茶の樹を安定させてからは、魚の魚粉なども良い。
 しかし、これにもイノシシなどが寄ってくるという欠点がある。
 また、貝殻、カニがらも肥料になるので、漁業とお茶がつながるきっかけになる」。


 茶の樹の状態について、木野さんは、
「花が咲いている畑はやせている。肥料が足りない。実を付けて子孫を残そうとしている。本当の畑は『茶畑』、花や実ができるのは『茶山』になってきている」。
「茶の樹を痩せさすのは1年しかかからないが、元の、大きく美味しいお茶に戻すのは5年かかる。
 お盆がすぎたら気温がだんだんと下がってくるので、元気なうちに、ある程度養分を蓄えさせる。
 やはり、肥料をやらないとだめ。
 無肥料、無農薬には限度がある。」


 (3)「今後、気仙茶を守っていくためにも、現地の高校生らと関わり、お茶に対する知識を覚えてもらうことが大切なのではないか。
 あなた達が足を運ばなくても、現地の高校生が茶の樹の世話を日常的にできるようにすることが課題ではないか。
 本当は、被災地の高校生達が京都に本格的な茶畑を見に来ることができればよいのだが。見学しに来たら対応する」
と言ってくれた。
 高校生とどのように関わりを持ってくるかによって今後の活動が変わるのではないか。


◎岩手合宿でやるべきこと
 (1)木野さんは、茶の樹の幹を見ればだいたい分かるそうなので、先生のiPadで、気仙茶の樹の幹の写真を撮り、木野さんに見せる。
 特に、幹の太さがどのぐらいか、太さが揃っているか、伸びているか。
 大きい画像が必要。

 (2)肥料をまくにあたって、茶畑のpHを調べなければならない。
 方法としては、畑に対角線上に線を引いて、その交わる点の土を採集し、pHを調べる。
 4.5ぐらいの値が最適。
 pHを調べる測定器は木野さんからお借りしたので、合宿に持っていく。


 また、現在、京都府の茶業研究所が茶の樹にネットをかけている所とかけてない所の、芽に対する傷み具合や、茶葉にかかる負担を調査している。
 9月の合宿までには調査結果が間に合うそうなので、「その結果もデータとして持って行っていい」と言われた。
 その調査結果も、何か役に立つときがくるかもしれない(寒さ対策としての寒冷紗など)。


 「気仙茶の実を持って帰って育てたい」
と私達が言うと、
「気仙茶は在来種であり、実をいくつか持って帰ったとしても、色々な種類の実が混じっている。
 芽の出る時期が違ってくるので、実を植え育てるのは、なかなか難しい。
 同じ品種にしないと、揃って芽が出ない。
 うちの畑のそばに落ちている実であれば、同じ品種の確率が高いので、やぶきたを実生から育てる方法のほうが綺麗に育つ」
とおっしゃっていた。

 木野さんは何事も熱心に聞いてくださり、私達の質問に丁寧に答えてくださった。
「気仙茶は目で見たことないから難しいなあ」
と言いつつも、
「わかる事なら、なんでも力になります」
と言ってくれた木野さんは、とても心強かった。

 これから合宿に向けて、自分達にできることをしっかりと勉強していき、気仙茶にも木野さんにも恥じないような知識を付けていかなければならない、と改めて実感した。


◎感想
 今回の作業は雨が降ってしまい、午前中のみだったが、少しでもお茶に関われて嬉しかった。
 私達の作業の区切りはもう少しなので、来週の活動を一生懸命頑張りたい。
 また、気仙茶についてもたくさんやらなければならないことがあるので、夏休みも頑張って取り組んでいきたい。

◎おまけ
 デロンギを買いました!笑

 今のところ、クマ?ネズミ?ネコ?のようなものをラテアートで描きました。
 誰にも負けないように、うまくなって見せます!
 いいものを作ります!
 以上!
(文責:宗)

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 天気予報では雨であったが、月ヶ瀬口駅に着くと少し晴れていた。
 午前中は少しだけ何とか作業をすることが出来、ネット巻きをし、ゴミを取り、茶の摘採を行った。
「雨が降る前に終わらせたい」とのことだったので、みな黙々と作業し始めた。
 人数も多く作業数も少なかったため、早く終わり、木野さん愛用機「ななこ」での摘採が始まった。
 雨が降った後なので、まずは、茶葉に着いている雨水を、ゼノアのブロアを使って吹き飛ばす。
 いつもは晴れで機会がなかったので、今回初めてこの機械を背負わせていただいた。
 前回、木野さんから、「雨水が残ったまま摘採すると、水色が赤くなり、品質が劣化する」と聞いていたので、しっかり吹き飛ばさないといけないという使命感があった。
 摘採していると雨が降り出し、せっかく雨水を吹き飛ばした場所にまた雨水がついてしまう。
 そこで、「ななこ」の前を歩き、摘採する寸前に雨水を吹き飛ばす方法をとった。
「ななこ」が後ろから迫り来る威圧感はなかなかなものであった。

 午前は雨粒も大きくなってきたため作業を中断し、土砂降りの雨の中、軽トラに乗り、雨のシャワーを浴びながら帰宅した。
 このような経験も滅多にできないだろうなと思った。


 昼からは、気仙茶のことや肥料などについて、木野さんにお話を伺った。


◎気仙茶の手入れについて
 一度摘採した茶畑をさらにもう一度5cmから10cm刈ることで、茶樹の高さが高くなりすぎて作業しづらくなるのを防ぎ、新芽が揃って出てくるようにする。
 気仙茶も、このように高さを揃えたりしないと作業しづらくなり、新芽がまばらに出てくるようになってしまう。

 茶樹を「中切り」する場合の注意点は以下の通り。
 気温15度以下なら、茶樹は冬眠し、成長が止まるので適している。
 しかし、時期が早く、暖かいうちに行ったり、暖冬などで気温が上がってしまうと、芽が出てしまう。
 そうなると、もう一度刈らなければならず、茶樹を弱らせる原因となる。
 何回も刈るのは、茶樹にとって根を痛めつけられているのと同じ状態。

 お茶は単純で、桜前線で芽を出し、紅葉前線で成長を止め冬眠するので、剪枝時期を早めたり、他の理由で剪枝するのは、お茶の気持ちを考えておらず、茶樹が痩せてしまう原因となるので、お茶のことを考え、お茶の状態や時期を見ながら決めるのが一番良いとのこと。

 現在、木野さん宅前の茶畑の一部で、府の茶業研究所が寒冷紗を直掛けで被覆するか否かで、葉に対する傷み具合や、茶樹にかかる負担を調査している。
 合宿までには結果がでるとのことなので、「その結果も必要なら合宿に持って行っていい」と言ってくださった。
 気仙茶は被覆しないと思うが、このデータが後々何らかの形で役立つかもしれない。



◎気仙茶の肥料について
 肥料については、菜種油などの油かすは、味をよくするための肥料として最適だが、油かすに虫が湧きやすい。
 気仙茶を特産品のようにしたいのであれば、一年目に肥料として油かすを撒いても味に効果はすぐにはでないので、まずは、窒素を多く含む化成肥料がよい。その後に油かすなどを与えるのが適切。

 肥料には、植物の生育に必要不可欠な成分「窒素・リン酸・カリ(カリウム)」の三要素がある。
◆窒素(N)
 葉肥(はごえ)とも言われ、葉緑素生成に関わる要素。葉や茎の生育に必要。
 過剰に与えると、葉が柔らかくなり、徒長して病害虫に侵されやすくなる。
◆リン酸(P)
 花肥(はなごえ)・実肥(みごえ)とも言われ、植物細胞のタンパク質を形成する要素。
 主に花・果実・種子の形成に必要。
◆カリ(K)
 根肥(ねごえ)とも言われ、植物の細胞核を構成し、細胞増加に役立つ要素。
 主に根を発達させる。
(参考HP: 写真でわかる園芸用語集。また、伊藤園のHPも参照してください)

 木野さんは、「必要ならば、ええ肥料を仕入れているから、持っていって良いで」と仰って下さいましたが、肥料を与えるのであれば、今の気仙茶にどの肥料が適切かなども改めて考えなければならない。

 また、肥料を撒くにあたって、土のpHも調べなければならない。

 畑に対角線上に線を引いて、四隅とその交わる点の5点の土を調べる。
 木野さんから、「40年ほど前に買った」という「土壌用pH計酸度計DM-13」をお借りしたが、まだ使えるとのことだったので驚いた。
 茶栽培の適切な値はpH4〜5である。

 また、陸前高田は漁港もあるので、魚粉なども肥料として良い。だが、いのししなどがよってくる場合もある。
 ホタテなどの貝殻や、カニがらも肥料も、砕いて撒けば肥料となる。

 今回の合宿で、可能であれば、エゾイシカゲ貝の漁師さん達に相談し、現地の漁業と気仙茶が繋がる仕組みを作ることはできないだろうかとも思った。


 去年の気仙茶の畑の写真をお見せすると、木野さんは「背が低いな」と一言だけ仰った。
 気仙茶の畑には、花が多く咲いており、実がたくさん落ちていたことを話すと、
「それは、茶樹が痩せている証拠で、子孫を残そうとしている。それに虫がつかないということは、虫さえも寄り付かない茶だ、という解釈もできる」
とのことだった。
 虫がよってくるのは、葉が美味しいという証拠で、無肥料・無農薬ではやはり限界があるとのこと。
「茶樹に花が咲いたり、実ができるのは、茶畑とは呼ばず、『茶山』という」。

 「やはり肥料が必要」とのことだ。

 また木野さんの茶畑の幹には多くの苔が生えているので、苔も茶樹の状態を知る上での目安となるのかとお聞きしたところ、
「幹に苔が生えると樹の養分を吸うので本当は良くないが、逆に解釈すれば、苔が生えるということは養分が多いからで、苔が生えないのは痩せている可能性もある」とのことだった。
 気仙茶班に確認したところ、苔は生えていなかったのではないかとのことだった。
 茶樹が痩せてしまっているのだろうか。それとも苔は単なる気候の違いが原因なのだろうか。
 今回、自分の目で確かめたい。


◎今回の岩手合宿
 「茶樹を痩せさすのは簡単で、1年あればすぐ痩せるが、元通り美味しいお茶に戻すのには5年はかかる」。
 「お茶は喋らない分、茶畑に誰も来ないより、人が来ることで、お茶も何かを感じとるらしい」との木野さんの言葉は、とても深く感じた。
 何もできなくても、様子を見に行くだけで、少しは気仙茶を元気づけることができるのだろうか。

 今回の問題は、伊達ゼミの数人だけ、ましてや僕達の代だけで何かができるほど簡単な問題ではなく、継続的にお手伝いすることが必要となる。
 そのため、頻繁にお手伝いに行けない僕達は、現地の生産者や生徒などと関わり、つながりを持ち、伊達ゼミと木野製茶園のような関係を気仙茶でも現地で作っていくことが、気仙茶を守っていくためにも最も大切であると思う。

 僕達にできることはいったい何なのだろうかと悩んでいると、
「出来るなら現地から生徒さんを招き、ここで本物のお茶を学んで知識を付けてもらうのが一番いい」
と木野さんは仰って下さった。
 茶の樹の幹を見れば木野さんは大体どんな状態か分かるとの事なので、気仙茶の畑に行った時、幹や葉を大きさがわかるように比較して写真に撮るか、自分たちの頭に記憶してくると良いとのことだった。

 8月中に生徒達を招き木野製茶園で学んで、戻ってから気仙茶の状態を教えてもらい、それを考慮して、肥料など対策を練るなどの繋がりを作ることができれば良いのではないかと思った。

 今回の岩手合宿で、僕達にできることは限られているかも知れないが、しっかりと勉強し、些細なことでも精一杯できることをやらせて頂き、少しでも役に立てればと思う。

◎追記
 この日、木野さんに「農の匠」認定の電話がかかってきて、「君ら龍大生のおかげで『農の匠』がもらえたんやから、力になれることがあれば力になります」ととても心強いお言葉を頂きました。

 「本当に凄い人から色々学んでいるのだな」と改めて実感しました。
 そんな木野さんから、何かあるごとに、「田辺くーん」と呼ばれることはとても嬉しく、光栄です。
(文責:田辺)

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 7月20日、ゼミ生6名(男4名、女2名)で作業を行った。
 本日の作業は、ネットを巻き取ってお茶を刈り取る作業。
 前日から木野さんと天気が怪しいからどうしようかと話していたが、月ヶ瀬口駅に着いてみたら、水溜りはあるものの、空は晴れていたので、作業ができそうで安心した。

 だが、その安心もつかの間だった。
 天気予報では11時頃から雨が降り出すということだったので、みんなでせっせと作業に取り掛かったのだが、ネットをめくってお茶を刈りだしてすぐ雨が降ってしまった。
 初めのうちは、昨日の雨でついた水滴を飛ばし、そのあと、乗用型摘採機「ななこ」で摘採していたのだが、途中から空は晴れているのに雨がポツポツと降ってきた。
 すると次第に雨が強くなっていく。

 そうなってしまったら、「ななこ」のすぐ前で、田辺くんが背負っている機械を使って水滴を飛ばし、その他のメンバーは大きめの葉というかたくさん葉がついた枝を使って水滴を飛ばして、なんとか刈っていった。
 この機械は、私も背負って使わせてもらったのだが、エンジンをかけるのが少し難しくて、最初は苦労した。
 けれど、周りに手伝ってもらいながら、水滴飛ばしに取り掛かった。
 私は力もない方なので、ちゃんと持ってできるか不安に思っていたのだが、案外なんとかなった。
 振動が結構強くて、持ってかれそうなときがあったのだが、木野さんに見守られながらやり遂げることができた。

 その後雨もどんどん強くなっていったので、刈り取り作業は中止。
 ネットをかけ直すことに。


 余談だが、作業途中の休憩でトマトをいただいた。私は生のトマトが少し苦手なのだが、2週間ぶりの作業で動いたあとに塩をふって食べたこのトマトは、とても美味しかった。


 昼からは、雨が上がれば、龍谷の茶畑に前運んだ草を撒く作業を考えておられたそうで、私たちも昼にゆっくり休んで雨で奪われた体力回復に努めていたのだが、あいにく天気は回復せずに、本日の作業は、これで終了してしまった。

 今回連れていってもらった茶畑の摘採だけでもできればよかったのだけど、こればかりは仕方ない。

 その変わり、昼からは、木野さんに今後の作業予定を聞いたり、気仙茶についての相談をすることができた。

 今後の作業だが、次週にもう一度行ってひと段落とする。
 木野さんのところでは、二番茶の収穫が終わったらバーベキューが行われるそうだ。
 私たち金曜メンバーに対し、「こんだけ頑張ってもらってるんで、来てもろたら」と言ってくださった。
 また、その頃になったら連絡をくださるという。
 本当に嬉しいことだと思う。

 また、来週金曜の作業をもって私たちは作業をお休みさせていただくことになるのだが、お盆以降にも作業があるので、そのときはまたお世話になりたいと思う。


 ■気仙茶について。
 今回お話を聞かせていただいて一番重要だと思ったことは、あちらの学生とつながりを持つということ。
 これからも継続的に気仙茶を見守っていきたいというならば、あちらの高校生や大学生とコンタクトを取って、一緒に考えていかなくてはならないという気持ちが強くなった。
 木野さんがいうには、私たちが何回も行くより、あちらの学生にも来てもらったらどうだろう。お盆が過ぎてからなら、木野さんもお話できるし、私たちが合宿に行く前に、現地の状況を教えてもらい、こちらでお茶の勉強をしていただくことができれば、合宿も充実したものになると思われる。
 こっちにきてもらうのは、難しいことだとおもうが、なんとかできないかと私は思う。

 木野さんに、「気仙茶をどうしていきたいのか」と聞かれた。
 どうしたいかで対策は変わっていくという。
 おいしいお茶にしたいのか、茶樹を守るだけでいいのか。
 これは、私たちだけでなく、陸前高田のKさんや「気仙茶の会」等、気仙茶に関わる全ての人の気持ちを聞かなくてはならないが、「震災復興を後押しするためにも、特産品にできれば」というのを伝えてみた。

 すると木野さんは、「それならば、肥料は欠かせない」と言われた。
以前、Kさんにお話を伺ったときに、「ある茶農家さんから聞いて、菜種油や油カスを肥料としてあげようと思う」と聞いた。
 だが、木野さんにKさんの茶畑の状態を写真を見せながらお話すると、
「随分やせているように思えるので、それよりもまず、窒素の多い肥料を与えることが大事だ」
と話された。
 それに、菜種油や油かすは、それ自体に虫が寄ってきてしまうそうだ。
 また、気仙茶なら漁港も近いし、魚粉なども良いそうだ。

 「茶樹がやせている」とはどういうことなのか。
 Kさんの茶畑では、以前伺ったとき、茶の実が茶樹の下にたくさん落ちていたのを覚えている。
 花が咲き、実が落ちるという現象は、畑はやせて弱っているとこを示唆している。
 肥料が足りないという症状を示し、実を付けて子孫を残そうとしている様子なのだとか。

 お盆がすぎたら気温がだんだんと下がってくるので、茶樹が元気なうちにある程度栄養を蓄えさせるためにも、やはり肥料をやらないとだめ。
 無肥料、無農薬には限度がある。
 茶の樹を痩せさすのは1年しかかからないが、元の大きく美味しいお茶に戻すのは5年かかる。
 だから、今はひとまず、肥料をたっぷりあげて、茶畑を肥えさせることが大事なのだ。

 先ほど、魚粉も良いと書いたが、貝殻、カニ殻も肥料になるそうだ。
 そうとなれば、漁業とお茶がつながる。
 ありがたいことに漁業にも気仙茶にも関わらせていただいているので、これ以上ない肥料だと思った。
 これができれば、気仙茶の特長の一つにもなるのではないだろうか。
 特産品への一歩だ。

 だが、現実的な問題、一年で茶の樹を元気にさせようとするのは不可能に近い話で、継続的にやっていかなくてはならない。
 私たちに今できることはなんだろう。
 それは、「つながりをつくる」ということだ。
 私たちは、いつまでも気仙茶に寄り添っていきたいし、そのつもりでいるが、現地に気仙茶を守るための体制ができることが一番重要なのではないか。
 以前、伊達先生がお話されていたように、
「困ったときは、物事をOPENにする」。
 そうすることで、私たちが、橋渡しになれればいいのではないか。
 それだけでなく、木野さんのところで得た知識を、気仙茶にどう応用したらいいのか考えることも重要。
 いろんな人と出会い、たくさんの情報を得て、それを伝えていく。
 それができれば、と強く思う。


 ■剪枝について。
 茶の樹を中切りするにしろ、深切りにするにしろ、時期というより、その時々の気温が大事なんだそうだ。
 茶樹は、15度以下で冬眠するので、木野さんはいつも15度以下で剪枝する。
 気温が下がりきらないときに剪枝してしまうと、芽が出てしまい、また刈らなければならなくなるそうだ。
 その状態は弱くなっていて、根がやられているのと同じ状態なので気をつけなければならない。
 だから、「放射性セシウムの除去だけで考えて、7月に剪枝してしまうのはよくない」という。
 できれば、去年と同じように、9月中頃にするのが一番いいと言っておられた。

 摘採面から更に5センチから10センチ刈ることで、樹の高さが高くなりすぎて作業しにくくなるのを防ぐ、新しい芽が出てくるなどの利点がある。
 期間は、7月の今頃から8月10日ぐらいまでに行う。
 木野さんのところでは、二番茶の摘採のあと、並行してこの作業を行っているそうだ。


 今回びっくりしたのが、苔は樹の養分を吸っているのであまり良くないということ。
 ネットかけやネット巻きをする際、ネットについた洗濯バサミを茶樹に固定していくのだが、このとき、苔でつけにくいと思ったことがあった。
 勝手に、苔があった方が年期が入っていいものだと思っていたのだが、あまりいいものではないそうだ。
 これは、人間でいう動脈硬化みたいなもので、肥料から栄養をもらい、雨などで水分を吸収して、苔ができるそうだ。
 次からは、見つけたらとっておきたい。


 また、茶業研究所がネットを掛けるときと掛けてないところの芽に対する傷み具合や、茶葉にかかる負担を調査しているそうだ。
 結果は、9月の合宿に間に合うそうなので、その結果をデータとして持って行っていいと言われた。
このデータをどう使えばいいのかは、また考えたい。

 合宿で何をしたらいいのか。
 今わかっていることは、気仙茶の現状をしっかり頭に叩き込んできて、木野さんに伝え、どうしたらいいのかを一緒に考えるための準備をすること。
 木野さんは、茶樹の幹を見れば大体わかるそうだ。
 だから、幹の太さがどのぐらいか、太さがそろっていうか、またその高さだとかをしっかり頭の中とカメラの中に残してくる。

 あともうひとつ重要なのが、葉の大きさ。
 幹を撮影してくるときもそうだが、何かと比較して大きさがちゃんとわかるようにしておく。

 また、気仙茶にはどの肥料が合うのか、土のpHを調べた方がいいという。
「これを持って行って、茶畑で四隅を取ってその対角線を結び、交わるところの土を調べておいで」と言って、木野さんは、「土壌用pH計酸度計DM-13(http://www.adex-dc.co.jp/takemura/product/ph.html#con01)」を貸してくださった。
 これは、木野さんが若い頃に買ったそうなのだが、今でも使えるというから驚きだ。
 茶栽培に適切なpH値は4〜5。
 気仙茶の畑の土のpHはどのくらいなのだろう。

 今はっきりとわかっていることがこの二つだと思う。
 以前、Kさんの畑で茶摘みをしていた高校生など、気仙茶を守りたいと思っている学生とコンタクトをとることができれば、またやるべきことは変わってくるだろう。

 今後、合宿の話を進めていく上で、じっくりと内容を詰めていきたいと思う。
(文責:永井)

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 7月20日の木野製茶園での作業の報告をします。

 今回はゼミ生6名で作業しました。
 今日も刈り取りの作業を行っていたのですが、途中で雨が降り、一部刈り取りが出来ずに終わってしまいました。

 その後も雨が降り続いたため、午後からの作業は中止になりました。



 作業が中止になったので、木野さんから、気仙茶の肥料や寒さ対策など、多くのことを教わりました。

 まず、肥料ですが、
「気仙茶を守るだけではなく、特産のおいしいお茶にしたいのなら、肥料は不可欠だ」
「もちろん、虫はつくようになるが、それはお茶がおいしいからや。今、虫がついてないなら、それは虫も食べへんような状態やってことやで」
と説明して下さいました。

 さらに、「お茶の花がついているのは、お茶が自分がもうあかんから子孫を残そうとしているんや。そういう風に手入れされなくなったら、『茶畑』やなくて、『茶山』になってしまうんや」
と続けられた。
 陸前高田のKさんの茶畑には花が咲いていた。やはり、Kさんの茶畑は、プロから見ても、良い状態ではないのでしょう。

 最適な肥料として、最初に教わったのが、菜種油。
 それも、質の良いものをあげるべきだという。
「うちは何百という単位で仕入れるから、少しくらい持ってってもかまへんで」
と言って下さいました。

 次に、最適な肥料として挙げられたのが、魚粉。
 これは海と山をつなげたいと考える我々にとって、これ以上ない肥料である。
 肥料をあげる時期は、盆暮れあたりが良いとのことでした。


 また、寒さ、雑草を防ぐため、こちらでも使用しているサトウキビの土壌改良材などを使用するのはどうかと尋ねると、
「あんなに重いもの、こちらから持っていくのは大変だから、向こうで稲わらを分けてもらえばどうか」
という意見を頂きました。
 確かに地元で手に入るものを利用しなければ、継続的な支援は難しいと思いました。
 
 整枝の時期ですが、
「こちらでは紅葉前線、桜前線にあわせて行うのがえんやけど、向こうではどれくらいがええんやろな。だいたい15℃で生育が止まるから、それに合わせてやな」
とのことでした。

 継続的に茶畑を手伝える人が必要だということも指摘されました。
「畑を肥やすのは5年かかるけど、痩せるのは1年。あっという間やからな」
とのことです。
 そのためにも、現地の高校生の力を借りるのは不可欠だと思いました。


 「わしは、陸前高田に行ったことがないから、様子を知るために、茶の幹と葉の写真を撮ってきてくれ。そしたらもう少し詳しいことを教えられるかもしれん。あと、茶畑の酸度を測ってき」
といって、酸度計を貸してくださいました。


「君らのおかげで農の匠もらえたんやから、気仙茶のことも、手伝えることがあればしてあげたい」
という、とてもうれしい言葉を頂けました。


◎感想
 今回はたくさんのことを知ることができました。
 今日えられた知識は、気仙茶支援の足がかりとなると思います。
 「君たちのおかげで農の匠がもらえた」という木野さんの言葉は、大変うれしいものでした。
 暑さや雨に負けずにやってきてよかった、と達成感を得ることができました。
(文責:寺本)

                                        • -

 7月20日(金)、木野製茶園さんへ作業に行ってきました。
 天候の関係で作業は午前中のみとなりました。
 作業内容はネットの巻きとり、ごみ取り、摘採でした。
 天候が不安定で、雨が降りそうになっては持ちこたえたりといった感じでしたが、結局、途中から雨が降り出したため、摘採を中断し、外していたネットを急いで掛けなおし、作業は終了となりました。

 よくネット掛けをする際に苔を見るのですが、あれは茶樹にとってはよくないとのこと。
 今後、ネット掛けをする際は、苔を取る作業も並行してやっていきます。


 木野さんに気仙茶について色々とお話を伺いました。
 今回の「中切り」に関してですが、「時期が悪いのではないか」とのこと。
 「この時期に切ってしまってはすぐに伸びてしまい、また切らないといけなくなる。
 そうすると茶樹への負担が非常に大きく、樹が弱くなってしまう。
 切るのであれば、紅葉前線が降りてくる時期が良いのではないか。
 前線が降りてくる時期、気温が15℃以下になり、茶の樹が冬眠に入る。
 桜前線が来る頃には、茶の樹は冬眠から目覚め芽を出し始める。
 茶の樹はこの二つの前線を軸に動いている。」


 「気仙茶を特産品にするのであれば、肥料は欠かせない。
 おいしいお茶を作ろうと思うのならば、まず肥料を与えないといけない。
 お茶に虫が寄ってくるのは、肥料に寄ってくるのではなく、茶葉に寄ってきている(肥料にやってくることもあるが)。
 これは、おいしいお茶ができているということと同義だ。」


 2月に、Kさんの茶畑を訪問した際に、茶の実を見つけましたが、
「花は、お茶が新しい樹を作りたいというサイン。
 お茶が花を咲かせ実を落とすのは、もうその樹が限界に来ている証だ」という。


 肥料については、魚粉等も使えるとのことなので、三陸の漁業と連携してできるのではないかと思いました。

 「肥料をまく際に、pHを調べるといい」
と、pH測定器を貸してくださいました。
 お茶に最適なpHは4〜5だそうです。
 酸性よりでしょうか。
 また、木野さんは、「pH7の時でも大臣賞を受賞したことがある」とも言ってました。
 pHが高ければ高いほど、窒素を多く含んだ肥料をやると良いそうです。
 木野さんは昔この方法をよくやっていたそうです。


 気仙茶を無肥料・無農薬で売っていくか、肥料、農薬を使いお茶を作っていくか、難しい所ですが、考えないといけないなと思いました。

 木野さんは力になれることがあれば協力してくださるとのことなので、地元の高校生や、「気仙茶の会」の方々とも勉強会を開く等を通して、連携を取ることができればなと思いました。
 今回伺った話でも、向こうの環境下ではどうなのか、木野さんも、「実際の茶葉を見てみないことには正確なことは言えない」ということなので、まだ詳しくはわからないことが多く、その辺りは今後の課題となりそうです。
(文責:岡本)

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 寝坊した僕が月ヶ瀬口に着いた頃には、しとしと雨が降り出していた。
 走って木野さんの茶畑に向かっている道中、雨の中、木野さんの娘さんが車で迎えに来てくださった。
 感謝の気持ちで一杯になった。
 みんなと合流した途端に雨が強く降ってきたが、ちょうど刈り取りの途中だったので、遅れながらも僕も参加することに。
 「岡君は雨連れて来たんかー?」と木野さんは笑っておられた。


 僕は木野さん愛用機「ななこ」の後ろに乗って茶葉の袋を交換作業を今回もさせて頂きました。
 だんだんと雨が強く降ってきて、手が滑って袋を金具にセットするのがいつもより力がいりました。


 休憩の時にトマトを頂きました。
 まん丸として艶やかな赤色のトマトはみずみずしく、果汁がジュワッと溢れてきて本当に美味しかったです。

 その後、土砂降りになって、作業は中断。


 荷台で雨を浴びながら帰宅し、お昼休憩に。

 雨で髪の毛も作業服も盛大に濡れてしまった。
 今度から着替えは持っていこうと思う。



 お昼休憩の後、木野さんにお話しを聞かせて頂く時間を頂いた。
 今日の摘採面から更に10センチほど刈ることで、樹の高さが高くなり過ぎて作業しにくくなるのを防ぎ、新しい芽が出てくるなどの利点がある。
 期間は7月の今頃から8月の始め頃までに行うそうだ。
「茶の樹を中切りさせる場合15度以下で茶の樹は冬眠する。」
 だから木野さんは15度以下で茶の樹を切る。
 しかし、暖冬など気温が上がってしまうと芽が出てしまい、また刈らなければならない。
 何度も切ると茶の木の状態は弱くなる。それは根がやられているのと同じ状態である。

 気仙茶と宇治茶は気候が違う土地にあるため、適した時期に中切りしてやる必要がある。

 肥料も大切だと木野さんは言う。
 菜種油などを絞って出来た油かすは肥料として良く、木野さんのところでも使用されている。
 虫が寄ってきやすいというのは、肥料が問題というより、肥料で超えたおいしい茶の葉に集まってくるそうだ。
 おいしい野菜には虫がつく。
 「そりゃ不味いもんには虫も来んやろ」とおっしゃった。
 お盆が過ぎたら気温が下がってくるので、茶の木が元気なうちにある程度養分を蓄えさせてやらなければならない。

 木野さんの茶畑には基本的に見ることは出来ないが、花が咲いている畑がある。
 それはやせている証拠で、肥料が足りなく実を付けて子孫を残そうとしている。
 本当の畑は「茶畑」といい、花や実が出来るのは「茶山」と呼ばれる。
 気仙茶の畑にも花は咲いているのか。一つの判断材料になるといいなと思った。


 気仙茶の無肥料、無農薬にはやはり限度があると言われた。
 最初は油かすを巻くのではなく、窒素が多い肥料を巻くのが最適で、気仙茶なら漁港も近いし、魚の魚粉なども良いそうだ。
 1年で茶の樹を痩せさす事は出来るが、元の大きく美味しいお茶に戻すのは5年かかるそうだ。
 やはり、僕たちの代だけではどうすることも出来ず、継続的な気仙茶の関わりや支援が必要なのだなと思った。
 しかし、そのつながりを固めることが出来るのは僕たちだ。

 この先、現地の高校生や茶農家さんと関わりながら気仙茶を守っていく必要がある。
 そのつながりを作るのが今後の課題だと思う。

◎感想
 次で前期最後の茶畑活動になる。
 疑問に思ったこと、知りたいことを思いっきり木野さんにぶつけてこようと思います。
 しっかりと勉強してきます!
 また、金曜日メンバーが熱心に頑張ってるのを評価されたのか、二番茶終わりのバーベキューに誘われた。
 詳細はまた連絡してくれるらしい。
 田辺や宗さん、永井さんと比べて、回数で負けている僕なんかが同等の扱いを受けていいのか分からないが、もし僕にも声が掛れば、是非参加したいと思います。
(文責:岡嶋)