陸前高田合宿 (12) 気仙沼を訪問

 エゾイシカゲ貝の作業の前後、漁師さんに「あそこは見といたほうがいい」と勧められ、陸前高田のお隣の気仙沼へ車で連れて行ってもらいました。
 8日と9日の両日、地元の漁師さんに説明してもらいながら、気仙沼陸前高田とを比べるという、とても貴重な機会でした。
 「まだ、作業のお手伝いも、たいしてしていないのに」という申し訳ない気持ちもありましたが、地元の方の解説つきで被災現場を見るという、めったにない機会ですので、しっかりメモ取って、帰ってから多くの人に伝え、このご厚意を無駄にしないようにします。


 気仙沼市 鹿折(ししおり)地区。そこで目にしたのは、とても大きな漁船でした。


船名は「第18共徳丸」

 津波の時に海から流されてきたそうですが、あたりを見回しても、海なんかどこにも見えませんでした。
 こんなに大きな船が、こんなに遠くまで運ばれてくるなんて。。。。
 津波の威力を物語っていました。

 今は支えがつけられて安定していますが、船の底はとても細くなっていて、地面についている面積がほとんどなく、当時は倒れずに立っていたのが不思議なくらいだったそうです。
 その船のあるあたりが、当時よくニュースで報道されていた大きな火事の場所でした。
 気仙沼市のガスはプロパンガスで、1つ爆発したらも隣も爆発するという連鎖反応が起こり、あのような悲惨な状態になってしまったそうです。



 漁師さんは、「ここではあまり写真を撮らない方がいいよ」
とおっしゃいました。

 一番印象に残っているのは、漁師さんが、
「写真は撮らないようにしている」
という言葉でした。
 「震災の写真は、1度撮ってしまったら消せなくなる。その残った写真を見る度に苦しむことになる。だから、目に焼き付けるだけにしている」。
 そうおっしゃいました。
 震災を忘れないために、写真に残すことも大事だけれど、むやみやたらに撮るものではない、と思いました。



 残された船には問題が山積みで、まず維持するのか撤去するのか、どちらにしても莫大なお金がかかるそうです。
 漁師さんは、「このままずっとここに残していても仕方がない」と、船を撤去することに賛成でした。


 気仙沼の市街地の様子です。



 陸前高田と比べると、気仙沼市は、海から近い場所でも、建物が流されずに残っているように思いました。

 「気仙沼と高田とでは、波の来方が違ったからだ」
と漁師さんは言います。
 「津波は下から巻き上げるから、色は黒く、昔の木造住宅なんかは基礎に乗っているだけだから、すぐに浮いてしまった。それで、高田の集落はさらわれちゃった。
 気仙沼の町は、水位が徐々に上がる津波だったから、けっこう建物は残ってるんだと思う。」
 「陸前高田市はほぼ全滅しちゃったために、どこから手をつけていいのかわからない状態なので、復興がなかなか進まない」
 そうおっしゃっていました。





 岩手県議会の佐々木茂光議員(農林水産常任委員)のお宅にお邪魔し、陸前高田市の復興の現状について、お話を伺いました。
 
 佐々木議員は、私たちをとても温かく迎えてくださいました。
 厚く御礼を申し上げます。

 佐々木議員は陸前高田市出身。
 津波でお父様を亡くされました。

 「復興計画では瓦礫を3年で片づける予定だったが、1年30%のペースからもうすでに遅れている。
 復興が進まないのは、様々な制約があるためだ。
 国会議員が来ても何も変わらない。
 被災地特例を出さないと復興計画もうまく進められない。
 南海トラフ地震が起きれば、東日本大震災被災地復興はもう終わったと見なされてしまい、予算は新たな被災地に流れてしまう。
 国の復興計画でも事業でも『東北』とひとくくりで考えられていて、個々の地域で考えられていない状況。
 復興計画は10年だが、街ができあがる頃には人はいなくなってしまうかもしれない。早く生活が戻ってほしい。高齢者は、今から新築住宅を建てても先が短いので、災害公営住宅に住もうとしている。
 漁業者の半分くらいは離職して、建築業などに流れていった。
 高台をつくるにも5〜6年はかかる。今必要なものはスピード。全体の都市計画を決めてからやろうとするから、なか進まない。
 立ち上がることの支援が復興であるはずなのに、今の復興は金ありきで考えられている。
 今優先されるべきは住宅。」(文責:小林[聞き違いがあるかもしれませんので、ご注意ください])



 気仙沼からの帰りに、陸前高田瓦礫の仮置き場に連れて行ってもらいました。
 市街地を見ているだけだと、「陸前高田市からようやく瓦礫が無くなった」かのような錯覚に陥りますが、まったくそうではありません。

 動画にしましたので、ご覧ください。

 

 今年1月末時点での、陸前高田市瓦礫の処理率については、復興庁のこちらのページをご覧ください。