宮古の「松明かし」を探るドキュメンタリー映像作品 【お知らせ】

 震災の年に出会った、岩手県宮古出身/京都在住のフォトグラファー坂下清さん。
 この度、坂下さんが宮古の伝統的風習「松明かし」に関するドキュメンタリー映像を制作されました。
 タイトルは「波あとの明かし」

 10月13日(日)〜14日(月)
 大阪十三シアターセブン
にて上映されます。(シアターセブンのHP)
 
 「波あとの明かし」の専用サイトはこちらです。

 ぜひ!


 以下は、坂下さんが主宰するGutz photographyのホームページからの転載です。

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波あとの明かし

イントロダクション

岩手県宮古市、私の故郷です。
宮古に伝わる風習に「松明かし」というものがあります。
本作「波あとの明かし」は松明かしの意味、起源、由来を探るドキュメンタリー映像作品です。

松明かしとは毎年8月1日、7日、13日、14日、15日、16日、20日、31日の夕暮れに各家庭の家の前で松を燃やして焚き火をする風習です。8月14日、15日はお墓参りをして、お墓の前でも行います。

2012年12月、私は柳田國男氏の著書に出会いました。
明治三陸津波に襲われた東北地方を調査してまわった柳田氏は、「遠野物語」「雪国の春」「先祖の話」と、東北の民俗学に関連した本を刊行しています。明治の時代を生きた柳田氏でも東北地方の風習の由来や起源を特定することは困難だったようです。
私は柳田氏の本を読んでから、
「松明かしとは、災害を機に行われるようになったのではないか?」と考えるようになりました。
慶長の大津波、明治三陸地震津波昭和三陸地震津波、アイオン台風、チリ地震津波、そして東日本大震災と、幾度も災害に襲われてきた宮古
津波で命を奪われ、住処も流され死んだ者の魂。
死者の魂が戻ってくるとされているお盆に、その魂はどこへ帰るべきなのだろう?
遺族は被災により住処も変わってしまい、魂は家を探して迷っているかもしれない、
と、連日焚き火を家の前で行い、魂が帰るべき家を照らし続けたのではないだろうか?

宮古に残る資料は災害により、古いものは大半が失われています。そのため、古い資料を調査することには限界があると考えました。そこで私はインタビューによる調査記録という方法をとりました。明治三陸津波地震後の明治と東日本大震災後の現在は似通う部分が多いように感じたためです。

先人が到達することのできなかった領域に私が到達することはできませんが、柳田氏のように調査し、後世に残すことが重要だと考えます。宮古のお盆には美しさがあります、文書ではなく映像で残すことが、宮古出身の写真家である私にできることだと考えています。

人が人を祀ることの尊さ、命について考える機会となれば幸いです。


監督:坂下 清(Gutz photography)
音楽:小野寺智子
二胡演奏:小鯖慎人
題字:太田和華子
英語版字幕制作:山本智子
デザイン:小瀬恵一
撮影助手:堀田夏子
機材提供:谷口義尚
制作:Gutz photography

【出演】
青猿神社禰宜 横山史穂子
曹洞宗蓮生山 宗得寺住職 四戸岸弘道

【撮影協力】
青猿神社、常運寺、宗得寺、フードショップ箱石

【資料提供】
宮古市教育委員会 宮古市史編纂室
摂待幸夫
佐藤 眞
堀内梨絵
小鯖慎人


@Gutz photography