陸前高田合宿レポート(3回生)〜エゾイシカゲ貝 (2)

永山くんのレポート

 2度目の訪問となった岩手県陸前高田
 前回より約7カ月ぶりとなる。


 秋を感じさせるような、朝晩は肌寒い東北沿岸部の気候。
 毎日、晴天の中で合宿をすごすことができた。
 前回行った合宿と併せて、比較しながらまととめていきたい。



 9月19日。エゾイシガケガイ。
 なんと、ものすごく大きくなっていました〜。
 今回もOさんらのご協力のもと、仕掛けのそうじや準備などをお手伝いさせていただき、沖へ投入する直前のエゾイシガケガイの様子を見せていただいた。

 2月のときは、手のひらの上で、ちょこんと転がっていた。
 そんな感じだったのだか、今はズッシリドンというような、存在感のある大きさに。
 ピョンというようなかわいらしさは感じられなかった。
 飛び跳ねると、少しギョットさせられる。

 でも、そう感じたのも、順調に成長している証拠。
 なんかホットしました。



 しかし、喜びの報告だけではありませんでした。
 広田湾のエゾイシカゲガイ養殖は、稚貝を捕り、育てる自然採苗が自慢なのですが、今年は稚貝の収穫が激減しています。

 漁師さんによると、「今年は、秋刀魚が不漁なのと同様、海水温度の上昇」によるものだそうです。

 この件について、Oさんも、
「来年は初出荷を喜べるが、今年捕った稚貝が出荷される再来年が心配だ」
とおっしゃっていました。

「でも自然が相手だから仕方ない。安定供給できない問題はあるが、がんばるしかないっべ」
と、そこはいつものOさんスタイルでした。



 潮の香りをものすごく強く感じたが、数分いればすぐ環境に馴染んでくる。
 それも、前回とあわせて、合宿参加日数の3/4をエゾイシカゲガイに捧げているからなのかもしれない。

 最後に、船で沖へ連れて行っていただき、エゾイシガケガイの入ったタライを海に投入するプロセスをみることができた。


「もっと大きくなって。」
 そう願った。



 この貝は、6ヵ月後、もう一度ひきあげられ、選別・分散作業を行い、もう一度海へ返され、そして来年6月に出荷。
 あともう少し。
 とにかく来年の出荷に、立ち会いたい!

(文責:永山)


福田君のレポート

 僕は、今回の合宿では、2日間とも漁業の手伝いをした。
 前回の2月の合宿でも、漁業のお手伝い(主に仕掛けづくり)をさせてもらっていて、Oさんとも面識があったので、前回お会いしたときよりも深く親密にコミュニケーションをとりたいなと思っていました。

 しかしOさんは体調があまり良くなく仕事ができない状況だったので、今回の漁業では、初対面の漁師さん、浜のおかあさん方に仕事を教えてもらうことに。

 仕事の内容は、まず、エゾイシカケガイの稚貝が入った仕掛けを引き上げること。
 一回の引き上げは、100個前後。
 仕掛けは、1個あたり10キロくらいの重さで、3個で1セットになって海から引きあげられる。

 引きあげにはクレーンを使い、船に乗っている人がクレーンを扱う。
 仕掛けのセットをクレーンから外し、
 仕掛けに結ばれているヒモをほどき、
 仕掛けの中に入っている砂、エゾイシカケガイの稚貝、その他の生物を高圧の水で洗い流す。
 大きなバケツに三重のネットがひいてあり、そのネットでエゾイシカケガイの稚貝を受け止める。




 ここから2つに分かれて作業する。
 (1)エゾイシカケガイの稚貝を取りだす人。
 (2)水で洗い流した仕掛けを3つに分解する人。


 (1)の稚貝とりだし作業は、とても忍耐のいる作業だ。
 様々な生き物が大量に入っているバケツの中から少しずつ取り出して、小さな稚貝も見落とさないように、ひとつずつ手で取り出す。
 「今年は去年に比べて少ないので、2〜3ミリの小さな稚貝も取り出すように」
と言われました。
 前傾姿勢になり細かい作業をするので、腰が痛く、また、目をこらす作業なので、目も疲れました。

 (2)の分解作業は、
 ・仕掛けを覆っているネット(エゾイシカケガイ以外の生物の侵入を防ぐ)、
 ・円形の発泡スチロール(1500円くらいする高価なもの)、
 ・それを覆うビニールシート(発泡スチロールの再利用のための汚れ防止)、
 この3つに分解する。

 この作業が一番骨の折れる作業で、ヒモがからまったり、うまく発泡スチロールが外れなかったりなどで、ひとつの仕掛けを分解するのに、1〜2分かかってしまっていました。

 速いおかあさんは、1つの仕掛けを分解するのに、わずか20秒しかかかっていなかった。
 プロの凄さに驚きました。

 あとは、それぞれについた汚れを一つ一つ手作業で落としていく。

 以上が一連の仕事の流れで、これを2セットするというのが私たちの仕事でした。

 どの作業をとっても、お年寄り向きの作業ではない。
 平均年齢は60歳台後半くらいに感じた。養殖業は、来年、再来年と未来につながなければならない仕事なのに、若い人がいないので、正直なところ不安に感じました。

 もっともっとエゾイシカケガイが有名になり、地元の若い人たちにエゾイシカケガイを守っていこうという気持ちが出てくればいいなと思いました。


 漁港での作業を終えて、高田一中の仮設住宅の集会所に寄りました。
 そこで出会った小学2年生の男の子と仲良くなり、一緒に、裏の森の手前まで虫を採りに行きました。
 その時、その子が、
 「僕んちの仮設のまえにカマキリいたよー」
と言っていました。
 小学2年生で「仮設」という言葉を使っていて、また、その子が、「仮設住宅は自分の家ではない」と思っていることに驚きました。
 同時に、とても悲しい気持ちになりました。

(文責:福田)




【参考】

 2012年2月合宿の作業風景はこちら(ずっと下のほうに写真があります)。
 2012年7月の訪問時の様子はこちら
 2012年9月合宿の作業風景はこちら
 2013年2月合宿の作業風景はこちら