陸前高田合宿レポート(3回生)〜仮設住宅編 (1)

富田さんのレポート

 9月18日、高田一中仮設住宅の集会所で、「和み喫茶」と「たこ焼きパーティ」を行った。


 BRT陸前高田市役所前から歩いて高田一中へ!
 (上の写真の、土がむき出しになっている造成地は、土地区画整理事業で整備が進められている高台。2015年度内に116戸分の宅地造成が完了し、住宅着工が可能になる予定。
 これでも、高田地区内では最も進んでいるところだ。
 その他の高台は、2016年度〜18年度にようやく住宅着工が可能になるという。
 仮り暮らしから脱けだすには、まだまだ長い長い時間がかかる。)




仮設住宅の人気者・クッキー。
元気そうで安心しました! )

 「たこ焼き」のメリットは、
・関西育ちの多いゼミ生がリードできる、
ベビーカステラや具を地元の食材にしてみる等、応用すればいろいろなものを作れる、
・小腹を満たせる、
・大人から子供まで楽しめる、
などである。


 しかし、やってみて出てきた問題点は、
(1)たこ焼きに人員を回しすぎて、和み喫茶が少しさみしくなった、
(2)「○○さんに(たこ焼きを)頼まれたから取りに来たんよ」、「家にいる○○さんに持って帰るわ」等、たこ焼きを取りに来るだけで集会所で作って食べない方々の存在、
(3)食材がたりなくなった時、すぐに買い出しに行きたくても「足」がない、
など。


 (1)は、2月の合宿に比べて仮設に回せる人員が少なかったというのもあるが、こちらの準備不足が第一の原因だと思う。準備段階では、バイトなどでゼミ集まりに来れない人もいて、詳細を把握している人が少なかった。ぶっつけ本番の人もいた。
 (2)は、昼時ということもあり、呼び込み役のゼミ生にたこ焼きの配達予約をする人もおり、配達するケースが発生したことが原因だと思う。
 持ち帰りの準備はしていたが、それは、あくまで、来た方のお持ち帰り用で、「集会所に来て、いっしょに焼いて、いっしょ食べる」ことが前提であり企画主旨だったはず。
 (3)は、前回の合宿ではチョコレートづくりだったので、材料がなくなっても高田一中の坂の下の木村屋さんに買いに行けるし、実際、前回はココア・パウダーを貸していただいた。
 だが、たこ焼きの材料となると、マイヤ滝の里店まで行かなければならない。
 交通手段を飛行機+高速バス+BRTに変えたのはいいが、足(専用バス)がないことに不自由を感じた。




 私が今回の合宿で嬉しかったことは、Mさんにまた会えたことである。

 今回は、Mさんの旦那さんも来て下さり、前回2月の合宿の時のお話しに出てきた旦那さんにお会いすることができた。
 旦那さんは、私がMさんのことを覚えていたことを喜んでくださり、
「ありがとう」
と握手をしてくれた。



 たこ焼き器は、高田一中仮設団地の集会場に贈呈してきました。
 住民の皆さんで、たこ焼きパーティを楽しんでいただけたら嬉しいです。




 2日目は、気仙茶の作業の後、仮設住宅に行き、小学生と遊んだ。
 先に仮設に向かった「先遣隊」と合流し、だるまさんが転んだや鬼ごっこをした。
 私が合流した時には、先遣隊はもうへとへとで、小学生の好き放題な状態だった。
 特にAちゃんとBちゃんはやんちゃで、大学生を引きずるようにして遊んでいた。



 もう遊びも終盤になった時に、
「秘密基地 見る?」
と聞かれたので、付いていくと、前回も行った裏山だった。
 小学校で見るような机といすが2つ、海に向かって置いてあった。
 そこから見る風景は、前回と何が変わったのかはっきりとわからなかった。
 実はそこは中学生の秘密基地らしく、Bちゃんたちが作ったようではなかった。


 Aちゃん、Bちゃん、藤原、冨田の4人で、道なき道を歩いていると、
Bちゃんに、唐突に
「(名札に書いてある)名前なんて読むの?」
と聞かれた。

 なんで私の名前を聞くのかなと思っていると、
「Cちゃんと、もう一度遊びたいな」
「でも、もう亡くなっちゃったから、遊べないよ」
という会話が聞こえてきた。


 Cちゃんは、私と同じ名前。漢字は一字ちがい。


 子供から震災の話しを聞いたのは、今回が初めてだった。



 亡くなったCちゃんの分も一緒に遊んであげたい。


 2回生にはしっかりと引き継ぎを行って、私も、4回生のように、来年も行こうと思った。
(文責:富田)




平井さんのレポート
 今回のゼミ合宿で、陸前高田に訪れるのは二回目だった。
 二月に訪れた時よりは整備が少し進んでおり、仮設住宅を出ている人も増えていた。
 しかし、大きなトラックが道を走る光景は依然として変わらなかった。

 仙台は復興していて、駅前は大勢の人でにぎわっていた。

 陸前高田との復興の差は歴然としていた。
 地域間でこれほどまでに差があるのかと驚いた。




 合宿1日目、私たちは、仮設住宅でたこ焼きパーティーをおこなった。
 大勢の方に来ていただき大盛況。

 また、この日は小学校1〜4年生が休みだったこともあり、多くの子供も参加してくれた。

 やはり、たこ焼きが珍しいのか、皆さん興味津々で、私自身焼くことで精いっぱいになってしまい、あまりお話を伺うことができなかった。

 しかし、先日の台風のことを心配してくださり、とても心があたたかくなった。
 おじいさんが
「こっちにたくさんのボランティアが来てくれているので、私も京都にボランティアに行きたいが、なかなか行けなくて」
とおっしゃった。
 日本中こうして互いが支えあいながら生きていると思うと嬉しくなった。

 しかし、その反面、まだ復興していないとも思った。


 E子さんと少し話すことができた。
 前に、あるボランティアとアドレス交換をしたが連絡がこず、
「忘れられたようで寂しい」
とおっしゃっていた。
 私にアドレスを教えてくださったので、連絡を取り合い、少しでも元気を与えられたらな、と感じた。



 子供たちは驚くべきことに、皆iPadを持っていた。
 ひとり一台、貸し出されている。

 遊びに来てくれた子たちも皆、所持していた。
 しかし、子供たちは、
「鬼ごっこしよう!」
と外に飛び出して行き、やはり体を動かすことが好きなんだ、と感じた。

 しかし、外に公園はない。
 狭い空き地で遊んだ。
 遊ぶ場所をどうにか確保できないものか、と思った。
 

 今回の合宿では、人のつながりの大切さを改めて実感できた。
 ボランティアといっても一回限りのことが多いが、人と人とが継続して関わっていくことで生まれる関係があることが目に見えたからである。
 しかし、子供の遊び場の少なさや、仮設住宅での生活を強いられている方がまだ多いなど、復興も地域間で大きな差がでてきたと思った。
(文責:平井)



中野さんのレポート
 18日、仮設住宅に行くまでの坂道を上りながら、そこから見える風景を見て、少し変わったなと思いました。

 2月に、同じところから同じ風景を撮った写真を比べてみると、緑が多くてキレイに見えます。


 集会所に入ると、先にいた子供たちがiPadを持っていて、後から来た子供たちもほとんどが持っていることにとても驚きました。
 配布されたものだと聞きましたが、子供たちが悠々とiPadを扱っている姿を見ていると、進んでいるなと思わずにはいられませんでした。

 たこ焼きの用意をしていると、子供たちが少しずつ増えてきて、集会所の玄関にいると、また子供が一人入ってきました。
 その子と顔を合わせて、
「あ、Fちゃんだ」
と私が思ったのと同時に、Fちゃんは、私を指差して、
「あ―!!!」。
 どうやら顔は覚えていてくれたようでした。
 覚えていてくれたんだ!といううれしさから、思わず抱きついてしまいました。



 準備に戻ると、チラシを配りに行ったメンバーが見え、おばあちゃんたちからスイカをいただいていました。

 声をかけると、おばあちゃんは私に気がついて、
「おいで」
と手招きしてくれたので、直ぐに靴を履いて向かいました。
 カットされたスイカに塩をふりかけてくれて、とても美味しかったです。
 笑顔の素敵な元気なおばあちゃんたちでした。




 仮設住宅をブラブラ歩いていると、何人かの人と出会いました。
 どの方も、たこ焼きをやっていることを話すと、「後で行くよ」と言って下さって、優しい人ばかりだなと思いました。

 声が聞こえたのか、一人のおばあちゃんが窓から顔を出してこられて、
「12時から行くよ〜」
と言われて、続けて、
「孫がそっちに行っているの。今日お昼ご飯はいるかと聞いたら、『たこ焼き食べるの!』って言うから、初めは『たこ焼き!?』と驚いたのよ」、
と笑いながら話してくれました。
 子供がたこ焼きを楽しみにしてくれていたんだということがわかり、とても嬉しかったです。
 どのお孫さんかなと思って聞いてみると
「一番うるさい子」
とだけ言われて、わからないままでした。
 集会所に戻ると、Gちゃんがたこ焼きを持ち帰り用に1パックだけ大事に置いているので、
「誰にあげるの?」と聞くと、
「おばあちゃん!後で来るから!」
というので、そこで初めて、さっきのおばあちゃんはGちゃんのおばあちゃんなのだと気づきました。
 たしかに、Gちゃんは子供たちの中でも一番元気があるので、おばあちゃんの「一番うるさい子」という言葉を思い出して、おもしろかったです。




 おじいちゃんたちがかたまって座っていたので気になって話しかけました。
 机の上にあるお菓子を
「食べ、食べ」
と勧められて、今日初めて見たモチモチとした触感のお菓子を食べました。「これ、初めて食べました。」
と言うと、
「初めて食べるのか!ここで買ったのか?君たちが京都で買って持ってきたんだと思って、皆で、『ゆべしって、どこでも売っているんだな』と話していたことろだよ(笑)」
と、おもしろおかしそうに笑っておられました。
 「昔からあるものなんだ。こういう食べ物は昔から変わらないな。こういう美味しいものを君たちが広めていってくれよ」
とも言われていました。

 家が津波で流されても、町の風景が変わっても、食べ物は昔から変わらずにあるんだなと思うと、こういう食べ物を大事にしていきたいなと思いました。



 次は、おばあちゃん2人がしゃべっておられたので、入らせていただきました。
 大根の葉を使った漬物をくださり、ピリッとしたクセになる美味しさでした。
 どうしてそういう話になったのかはわからないのですが、おばあちゃんが
仮設住宅はそんなに狭くなく、(旦那さんとの)二人っきりの生活には十分だ」
と言っておられました。

 「子供がいるところは、支給品やら物やらで、とにかく部屋が狭くなるんだ」
とも言っておられ、そういう問題もあるのだなと考えさせられました。
(文責:中野)


【参考】仮設住宅でのお茶っこサロンの移り変わり
・2011年9月合宿の様子はこちら
・2012年2月合宿の様子はこちらこちら
・2012年9月合宿の様子はこちら
・2013年2月の合宿の様子はこちらこちらこちらこちら