ゼミ報告会

 12月11日、経済学部で開催されたゼミ対抗の学生報告会で、フィールドワーク部門の最優秀賞(漁業班)と優秀賞(仮設住宅班)をいただきました。
 
仮設住宅班の報告(ハイライト部分のみ)】







(注1) 上の主張の背景にある仮説は、
 「復興の遅れの原因の一つは、東日本大震災のような最大クラスの津波の襲来を想定し、浸水市街地をかさ上げしてハード整備するという、市の復興計画それ自体にあるのではないか」
です。
 2011年12月に策定された陸前高田市「震災復興計画」の基本構想から引用します。
 「国や県では、『地形条件や社会・環境に与える影響や施設整備費用、事業期間の長期化』の観点から、頻度の高い数十年から百数十年で発生している津波に対しては、主に海岸保全施設で防ぐことを基本とするとともに、東日本大震災のような最大クラスの津波に対しては避難を柱に総合的防災対策で防ぎ、被害をできるだけ最小化する『減災』の考え方を重視するとしています。
 本市においては、国や県の方針として、想定宮城県沖地震等の頻度の高い、発生の可能性の高い津波に対して海岸保全施設で安全を確保すべきと示されたT.P最大12.5メートル(広田湾内。広田湾外洋にあってはT.P最大12.8メートル)の海岸保全施設整備を踏まえつつ、加えて「最大クラスの津波」の襲来を想定し、海岸保全施設等による防災対策はもとより、避難路の整備、コンパクトな市街地の形成市街地のかさ上げ、避難情報の速達性の確保、防災啓発など、ハード、ソフトの施策を駆使し、子どもたちから高齢者まで、誰もが安全と安心を実感できる多重防災型のまちづくりに向けた計画づくりを基本とします。」(陸前高田市「震災復興計画」8頁)

(注2) 計画策定過程における市内での議論の状況は『岩手日報』2011年10月22日を参照。この記事によれば、当初、陸前高田市は、防潮堤についても、最大クラスの津波を想定し、東日本大震災津波の高さ13.8メートルを上回る15メートルの防潮堤整備を考えていました。その理由は、以下の二つです。一つは、全ての高台移転は事実上不可能なため、浸水地をかさ上げして活用せざるをえないという理由、もう一つは、「防潮堤を高くしたほうが(かさ上げの)費用がかからず、工期も短期間で済む」という理由です。
 しかし、国と県が市の15メートル案を認めなかったため、最終的に、宮城県沖地震クラスの津波を想定した12.5メートルの高さに決定されたようです。( )内は筆者が挿入。



(途中は省略)






(注)陸前高田市「震災復興計画」(概要版)によれば、「復興のまちづくりの目標」として「人口規模の設定 2万5千人台」とされています。2018年度(平成30年度)終了時点の目標値だとすれば、かなり過大に見積もられていると考えます。
 私たちの主張の背景にある仮説は、
「復興の遅れの原因の一つは、2.5万人という過大な人口規模を想定し、高台造成やかさ上げでハード整備するという、市の復興計画それ自体にあるのではないか。2013年3月に国立社会保障・人口問題研究所が行った人口推計にもとづいて、復興計画の見直しをしたほうが望ましいのではないか」
です。




(途中は省略)










(注1) 岩手県の「いわて復興インデックス」では人間の復興を十分にとらえられないのではないか、という主張です。

(注2) 新たな復興指標を作成する場合、例えば、子供たちの「なし得ること」「なり得るもの」といった選択肢の内容をきちんと見ていくためには、学校の先生や親の協力が必要ですが、これについては今後、研究室で詰めて議論していきたいと思います。
 気仙地域の方言もわからない「よそ者」の私たちが単独でするよりも、岩手県内の大学や団体と共同で実施するほうがはるかに望ましいと思っています。