気仙茶の会 総会

 18日(土)、陸前高田を訪問。「北限の茶を守る 気仙茶の会」の総会に参加してきました。
 おおぜいの会員が竹駒町のジャズタイム・ジョニーに集い、皆さん、思い思いに気仙茶について語りあい、盛り上がりました。

 
 翌日は、菊池会長や前田事務局長、佐藤さん、小野さんと一緒に、米崎町の茶園を訪れました。

 米崎町には、こんな見晴らしのいい場所に畦畔茶園やりんご園があります。
 
 陸前高田の土地利用や海面利用のカタチがよくわかります。

 海に浮かぶ筏や浮玉を眺めていると、
 陸には畑は少ないけれど、海には「畑」がたくさんあることに気づかされます。

 昨年、対岸の長部地区の漁師さんから、
 「あのあたりがカキ、あそこがホタテ、そっちはエゾイシカゲガイ、向こうは、ほれ、ワカメが『植わってる』」
 「広田湾は、けっこう混み合ってるべ」
と教えていただきました。
 北からやってくる親潮がミネラルなどの栄養分を運び、また、川が森でつくられる養分を運び、肥料などやらなくても豊かな「畑」。
 そこで「栽培」される海の幸。


 市外から陸前高田を訪れるボランティアの方々、奇跡の一本松を訪れる観光客にも、ほんの少し、BRT脇の沢駅まで足を運んでいただいて、ぜひ観ていただきたいです。


 「ここから眺める牡蠣の筏は壮観」とか、「ここがりんご園」とか、「畦畔には気仙茶の樹が植えられています」、「毎年5月末〜6月初旬には、一番茶の茶摘みが行われ、『北限の製茶工場』に持ち込まれます」などと、陸前高田マップに書き入れることは難しいでしょうか。漁場を書き込んだ海面マップも絶対ほしいです!



 また、午前中、昭和ひとケタ世代の米崎町の女性宅にお邪魔して、お茶っこをいただきながら、昔の手もみ製茶法の聞き取りを行いました。

 次から次へとたくみに話を引き出していく前田事務局長のお人柄のせいもあるのでしょうが、昭和ひとケタ世代の昔話は、ディテールがきちんとしています。

 60年前のお茶づくりのことなのに、身振り手振りで、まるで昨日のことのようにお話されていました。

 「お茶摘みやお茶づくりは、『よいとり』なのよ」
という言葉が一番印象的でした。(「よいとり」とは結の意味)

 とても有意義な時間を過ごさせていただきました。
 ありがとうございました。

 年配の方が若い頃の暮らしの話をしている時の笑顔って、素敵だなと感じました。

 いつまでもお元気で!



 気仙茶の会の活動はとても地味〜な活動ですが、楽しいです。

 これからも参加していきたいと思います。



 夕方からは、早採若布、鱈、海鼠、牡蠣鍋、そしてプレモルで乾杯! 

 最後に鈴木旅館のアツアツ温泉にもつかり、贅沢三昧な週末でした。

 御馳走様でした。




 今回の訪問でとても気になったことは、宅地開発や自力再建が少しずつ進む中で、米崎町のあちこちでリンゴの木が切られ始めていたこと。

 陸前高田の農業も大きな転換期を迎えているようです。

 数少ない貴重なリンゴ農家※が、また減ってしまうのでしょうか。

 複雑な心境で眺めておりました。



 ※2010年の『世界農林業センサス(岩手県統計書)』によれば、陸前高田市の農家数1679戸のうち、「販売農家」が776戸、販売しない「自給的農家」は903戸。
 販売農家776戸のうち、「販売なし」が302戸(39%)、「50万円未満」が280戸(36%)、「50万円〜100万円」が78戸(10%)。この3つをたし合わせると全体の85%を占めます。
 実際に「販売のあった農家」349戸(776−302戸のうち、稲作が191戸、果樹類が88戸(うち米崎町が80戸)、露地野菜が20戸、あとはすべて一桁台。
 耕地面積は、販売農家776戸のうち、「0.3ha〜0.5ha」が322戸、「0.5ha〜1.0ha」が314戸、この二つでもう全体の82%を占めます。「1.0ha〜1.5ha」が88戸、「1.5ha〜2.0ha」が23戸、2ha以上はわずか24戸。
 そして、大津波による甚大な被害。希少な高台の住宅用地、農地の転用の増加。

 「新しい農業を」、「農業の6次産業化を」、「マーケティング戦略を」等々、たとえそれが善意に根ざすものだとしても、よそ者がわかったような口ぶりで軽々しく「木を見て森を見ない」議論をもちかけてはいけないな、とあらためて思いました。