陸前高田合宿レポート (2)〜米崎りんご、仮設住宅の子どもたち

 今回は、あえて回生ごとにまとめず、順不同にしてみます。


藤原 (4回生)

1.気仙茶の会と米崎りんご
 一日目の午前中、気仙茶の会の菊池会長のりんご園のお手伝いをさせていただいた。
 まず、りんご園の周りに青いネットを張る作業から。
 このネットは、強風からりんごを守る防風の役目をする。2年程は張り替えないそうだ。
 高いところは脚立に乗りながら留め具をしていき、下段も同じように留めていく。
 最後は結束バンドで真ん中の紐を締めて、ネット張りが完了。
 わたしたち伊達ゼミは約10名いたが、留め具をする箇所が多く、少人数でするとすごく大変な作業になるのではないかと感じた。


 途中の休憩では、米崎りんごとお茶をいただいた。
 米崎りんごは甘みもあり、程よい酸味の効いたとても魅力的なりんごである。
 シャキシャキ!と音がなる食感は、食べていて楽しい。

 続いての作業は葉摘み。
 赤い色をつけるために、日が当たるのを遮っているりんごに掛かっている葉を摘み取っていくのだが、これがまた、どの葉を摘めばいいのか見極めるのが難しい。
 できるだけりんごのツル元に近い葉を取って欲しいと言われていたが、単純に葉を取りすぎると日光に当たりすぎてしまい、りんごが日焼けしてしまって良い色にはならない。
 また、影になっている反対側にも色をつけるための玉回しという作業も同時に行っていった。

 お昼は菊池会長ご自宅の広間で昼食を摂らせてもらい、りんごにお漬物までいただいた。
 りんごは品種によって甘さと酸味が異なり、ちがった美味しさがあった。
 お漬物はからし漬けで、甘いのに辛く、癖になる旨味だった。



 夜は、気仙茶の会の皆さんが、伊達ゼミ歓迎会を催してくださり、秋刀魚やホタテやイカなどの海鮮に加え、有機トマトやきゅうりなどの野菜もご馳走になった。
 そのどれもが新鮮でとても美味しく、自然の有難みを噛みしめながら頂いた。
 BBQ中に、菊池会長が「前回は名前を呼ぶ機会を逃していた」と、わたしの名前を訊いて呼んでくださったことが嬉しかった。
 帰り際には、
「次来るときはうちに泊まっていきなさい」
とおっしゃって下さり、「遠い親戚」ができたみたいな気持ちになった。

 心が暖まるような気持ちになった。

 先輩たちの代から引き継いできた気仙茶の会と伊達ゼミとのつながりを、これからも大切にしていきたい。


2.仮設住宅
 こどもたちとの再会は約1年振りだったが、わたしの中では、不安よりも楽しみのほうが断然強かった。
 実際、子どもたちは、わたしたちの名前を覚えてくれていて、去年の合宿で最後に遊んだときと同じように接してくれたことが何よりもうれしかった。

 一日目は、お絵かきをしたり、宿題をみてあげたりした。
 わたしたちが初めて陸前高田にきたときからお馴染みのA子ちゃんは、
「絵が上手くなったんだよ!」
と、わたしたちの似顔絵を、ひとりひとりかわいく描いて見せてくれた。
 他にも、マラソンで1位になったことや、学校のお友達の話を自分からたくさんしてくれたので、心を開いてくれているようにも感じられた。

 途中、小学校でALT(アシスタント・ランゲージ・ティーチャー)をしているというジャスティ先生が集会所に顔を出してくださり、一緒に子どもたちと遊んでくれることになった。

 低学年の子に続いて、高学年の子も学校から帰ってきて、B子ちゃんと、保育所に通うC君も合流し、A子のお友達のD子ちゃん、その他にも3人ほど遊びに来てくれた。

 C君は元気いっぱいでひたすら走りまわる活発な男の子で、
「ボールは大事な友達」
と言っていた。

 将来の夢は
「バスケットボール選手のいちばんになること」
だそうだ。

 わたしたちをぶつ時に加減しないので力が入りすぎているのではないかと感じることがあった。
 だけど、他面で、わたしたちにお茶をいれてくれ、保育園児とはとても思えない気遣いを見せてくれた。

 ジャスティ先生とも「エイっ、エイッ」と、楽しそうに遊んでいたのがとても印象的だった。


 明日は小学校で陸上競技大会があり、長く遊べるので、
「明日は何がしたい?」
と尋ねてみると、
「またチョコレート作りたい!」との返事。
 昨年2月合宿でやったバレンタイン・チョコ作りが相当気にいってくれていたみたいで、とてもうれしかった。
 が、残念ながら、今回、わたしたちはその用意をしてこなかったので、要望に応えることはできなかった。
 けれども、
「ミサンガ作りはどう?」
ときいてみると、
「したい!」
と言ってくれたので、ほっとひと安心。
 自分達でなにかを作るのがこどもたちは楽しいのかなと感じたし、チョコ作りもまたやってあげたいと思った。

※※※※


 二日目にしたことは、ミサンガ作り、妖怪ウォッチのお面づくり、縄跳び、集会所の中にあるUNOやジェンガと学校の宿題。

 A子ちゃんはわたしたちが来るまで家にひとりで、ご飯を食べて待っていてくれていた。
 お母さんが仕事の日は、やはり寂しいだろうなと思った。



 ミサンガ作りには、午前中、集会所で栄養教室に参加されていたおかあさん方、YさんとSさんが積極的に参加してくださった。

 おふたりは、A子ちゃん達が通う小学校の家庭科の授業で手芸を教えておられるとのこと。
 ひまわりとイチゴのブローチ、自家製のお漬物や芋ご飯をわたしたちにくださった。

 この日は、E子ちゃんも小学校から直接やってきて、会った瞬間、飛びついてきてくれた。
 E子はここの集会所に来るのは2回目だそうで、1回目は、A子やB子ちゃんと同じバレーボールチームの歓迎会で来たという。
 自治会長さんもバレーボールの関係者の方で、E子ちゃんのことをよくご存じだった。

 E子ちゃんのミサンガのお願い事は、
「妹か弟が欲しい」。
 中学生のお兄さんがいるみたいだが、年の差もあると、やはり一緒に遊ぶということも少ないだろう。
 お母さんは働いているので、早番でも帰ってくるのは夕方よりも後になるそうだ。
 元気さは健在だったが、友達と離れ離れになって遊び相手が減ってしまったのではないかと心配になった。


 B子ちゃんは、二日間とも、みんなのまとめ役でリーダーシップがあり、やはりしっかりしているな〜と感心した。
 少し「大人びすぎ」のような気がしていたが、学校での愚痴を漏らしたり、以前よりは小学生らしい素直で無邪気に遊ぶ姿も見れたので、良かったと思えるところもあった。


 帰る頃になると、
「次はいつ来てくれるの?」
と何度も訊かれた。
 うれしい反面、この問いかけに曖昧な返事しかできないことが辛かった。
 それでも、
「本当に楽しかったよ!」
と言ってもらえた。
 心から来てよかったと思えた。

 Yさんと自治会長さんも、
「こっちの仮設にもまたきてね」
とおっしゃって下さった。


 A子ちゃんとB子ちゃんと、携帯と連絡先の交換をし、手紙を送り合う約束をして、仮設住宅を後にした。

 今回、こども達があそぶ様子を見て、改めて、「こどもたちには、遊ぶ場所(外でボール遊びができるような場所)と遊び相手が必要だ」と感じた。



3.戸羽市長さん
 今回の合宿では、陸前高田市長である戸羽市長さんから直接お話を伺う機会があった。
 市長の先輩にあたる方が自ら命を絶たれた話、奥さんがお亡くなりになり息子さんにお弁当をいつも作っている話など、とても涙なしには聞くことができなかった。

 陸前高田市では、様々な災害を見越してサイレンを夜中でも流す日があるらしい。震災直後は誰も何も言わなかったのに、2、3年も経つと、「うるさい」といった苦情がくるとおっしゃっていた。
 「あんなことが起こったのに、被災地に住む人びとの中でもそのことが薄れてきている」。

 「県外からご寄附を頂けることは、もちろん大変ありがたいし、とても助かる。けれども、あなたたちが、もし10万円集めて陸前高田市に贈ってくれるのならば、そのお金でここに足を運んで欲しいとも思う。そして、目で見たことを持ち帰って伝えて欲しい」。
 このお話を伺ったとき、わたしたちがしなければいけないことの原点を考えさせられた。