陸前高田合宿レポート (7)〜気仙茶と米崎りんご

大屋

 10日早朝。
 みんなよりも14時間遅れで陸前高田に到着。

 私用により、合宿二日目からの参加。
 前日からの金沢〜東京〜陸前高田の高速バス移動で、体力面で不安を抱えた状態であった。
 しかし、半年ぶりに陸前高田のみなさんに会えるとあって、期待も大きかった。
 陸前高田市役所前に到着すると、半年前とは違う光景が広がっていた。
 消防庁舎とコミュニティーホールの建設が始まっていた。
 そして、道路の泥や砂もきれいに整備されていた。


1. 復興の象徴 「気仙茶」
 気仙茶の会の前田事務局長、佐藤さん、小野さん、そしてゼミ生5名の計8人での活動。

 例年に比べ、ゼミ生の参加人数が少ない分しっかり働かなければと思っていた。
 小友町の茶畑での草とり作業。

 事前に先生から、
南山城村の茶畑のイメージは捨てていくこと」
と言われていたが、本当にその通りで、茶樹が斜面に生えつつ雑草で全く見えない状態であった。

 昨年の先輩方の活動写真と比べてみても、草の量はとても増えているように感じた。
 この茶畑から遠くに見えるのは、震災で大きな津波が襲った広田湾。
あの花が生えている高さまで津波が来たんだよ。」
という説明を受けても、正直なところ実感が湧かなかった。
 しかし、除草中に次々と出てくる貝殻の多さに、テレビで見た津波の光景が頭の中で流れ、複雑な気持ちになった。

 作業も終わりかけになると、最初の雑草が生い茂った状態から見違えるほど、深緑色の茶樹がしっかり見える状態になり、
「すごい!」
と前田さんに褒めていただいた。


 休憩時間には、前田さんがミニお茶会を開いてくださった。

 大船渡で6月上旬に収穫した、「在来種」のお茶。
 計5杯いただいたが、一口ずつ飲む度に変化する味に驚いた。
 最初は苦味が強かったが、次第にまろやかな味に変化していった。

 そして、一緒に活動の手伝いをされていたОさんから、震災当時の話を聞かせていただいた。
 過去のチリ地震や明治三陸地震の例を挙げ、
「こんなに文明が発達した今回の震災も、過去の経験が生かされなかった。それが悔しいし情けない。」
とおっしゃられた言葉がとても印象に残っている。
 将来、同じ悲劇を繰り返さないことが一生の課題なのだと思う。

 津波の被害にも負けずに成長をつづける茶樹。
 復興に向かって前向きに生きておられる皆さんを投影しているのかもしれない。

 震災後、こちらの茶畑からまだ茶葉の収穫は未だに〇ではあるが、何年か後にこちらの茶畑でとれたお茶を飲める日が来るのが楽しみだ。

 合宿前から連絡をとらせていただいた前田事務局長をはじめ、皆さんに何度も、自分の体調も気にかけていただき、楽な気持ちで作業をすることができました。
 ありがとうございました。


2. 「米崎りんご」収穫のお手伝い
 米崎町のりんご園での収穫作業。
 菊池会長、とよこさん、ゼミ生5名での活動。
 今回作業させていただいたりんご園は、海が近く見晴しがよく、りんごが成長しやすい最高の環境であった。
 りんごの取れる季節は、品種によって異なるそうだ。
 この畑では、ふじやジョナゴールドが取れる。
 私自身、りんごの収穫は、小学校低学年の時以来だったので、わくわくしていた。

 まずは、烏の侵入防止のためのネットを外すところから。
 ネットをしていても、至る所に烏が侵入してしまう。

 かじり取られた後がくっきり残るりんごも。


 真っ赤に熟したりんごを、一つ一つ枝からもぎとっていった。
 力づくでもぎとるのではなく、片手で枝を固定して、りんごをつかみ、上に捻るようにすると、上手く採れた。
 菊池会長のりんご園は、この場所を含めて、現在は4か所。
 津波によってBRT脇ノ沢駅近くのりんご園が壊滅してしまった。
 今では駐車場へと変わってしまったことを嘆いておられた。


 収穫したりんごをゼミ生全員分プレゼントしていただいた。

 米崎りんごを実際に食べてみた感想は、
 ジューシーで甘味が強い !

 ぜひ、多くの方に食べていただきたい !


 お昼の時間に、菊池会長宅のお部屋を見せて頂いた。

 そこには、これまで会長夫妻と関わりを持ったボランティア団体の写真や名前が壁一面に張ってあった。
 伊達ゼミの先輩方の名前や写真も。
 とよこさんは、「この人は●○な人なんだよ〜」と、うれしそうに説明してくださった。
 ボランティアの継続、つながり継続の大切さを改めて思い知った。

 菊池会長が、この日参加した私を含めゼミ生5名の写真を撮って、名前をしっかり覚えようとしてくださっている姿がとてもうれしかった。


 今日は9月11日。
 東日本大震災から3年半。
 菊池会長から震災当時のお話を伺った。
 会長は広田湾の辺りにおられたが、すぐに家へ避難したそうだ。

 広田湾を襲う津波の写真を見せていただいたが、とても信じられない光景だ。


 震災が発生した14時46分に合わせ、広田湾へ向かって黙祷。

 陸前高田の皆さんが、少しでも早く震災前のような生活に戻れることを心の中で祈った。

 菊池会長には、最後、高田一中仮設まで車で送っていただき、とよこさんにはお昼ご飯をごちそうになりました。
 時には楽しく、時には真剣に話してくださったお二人にとても感謝しています。

 ありがとうございました。
 

3. 合宿を通して
 この2日間を通して多くの貴重な体験をさせていただいた。
 前回の合宿では、現地の方とどのような話をすればいいのだろうと戸惑いを持ちながらの活動であったが、今回は自然体で接することができたと思う。
 「気仙茶」「米崎りんご」の作業を通じて、違う視点から復興を感じ取った。
 3年半という節目を機に、改めて震災のことを風化させてはならないと思った。
 皆さんとの出会いを大切にしたいと思う。

 今回の合宿でも、皆さんの笑顔に私達も力をもらった。
 次に陸前高田へ訪れる時期は未定だが、できるだけたくさん訪れたい。
 そして、私たちに少しでもできることがあれば、何でもしたい。

 改めて、お世話になったみなさんありがとうございました。
 また来ます!