陸前高田合宿レポート (13)〜米崎りんご、仮設住宅の子どもたち

平井(4回生)

1. 米崎リンゴの畑で
 9月16日、気仙茶の会の菊池会長のリンゴ畑のお手伝いをしました。
 まずは、会長宅から少し歩いたリンゴ畑のネット張りを行いました。
 このネットは防風のためです。
 ネットは、私の身長をはるかに上回る高さで、2〜3人が一組となって脚立を利用して行いました。
 ネットを黒いクリップで固定していくのは、一見簡単そうだと思いました。
 しかし、やってみると、案の定、苦戦。
 会長が見本を見せてくださったのですが、手慣れた手つきで、やはり職人だなと思いました。

 休憩時間にはリンゴをご馳走になりました。

 皮を剥いても、剥かなくてもおいしく、普段食べるリンゴとは比べ物にならないくらい甘くておいしかったです。


 休憩後は、会長宅の前のリンゴ畑で、リンゴの葉っぱ取りを行いました。
 太陽の光が遮られているリンゴに光をあててやるためです。
 葉っぱは、とりすぎてもとらな過ぎてもだめで、成長に合わせて調整することが大切です。
 どの葉っぱをとればリンゴに太陽光が当たるかを考えながら、1枚1枚、慎重に葉っぱを取っていきます。
 太陽が当たっている部分だけ赤くなり、裏側が日陰のため緑色のリンゴを何個も見かけ、太陽の力でおいしくなっていくと思うと、自然の力はすごい!と感じました。
 普段はスーパーで買って食べているリンゴですが、実際にリンゴ畑でお手伝いをさせていただくと、自然の力の凄さや、人の思いやりや手間暇がかかって作られていることを肌で実感することができました。
 昨年は、台風の影響により、米崎リンゴも被害を受けてしまいました。
 今年もたくさんの実をつけていて、安心しました。
 太陽の光と人の温かさをいっぱい浴びて、美味しい米崎リンゴになってほしいです。


2. 仮設住宅
 午後3時ころ、仮設住宅に行きました。
 小学校のスクールバスの停留所で、Aちゃんと合流しました。
 低学年用のバスには8人ほどしか乗っておらず、この仮設住宅の停留所で降りたのは、A子ちゃんと男の子の2人だけでした。

 A子ちゃんと集会場でしばらく遊んでいると、小学校のALTの先生で、仮設住宅に住んでおられるジャスティンが遊びに来てくださいました。

 その後、高学年のB子ちゃんとC子ちゃんも集会場に来てくれました。
 皆、成長して、大人になったな〜と感じました。
 とくにB子ちゃんは、小学生とは思えないほど大人びていて、他の子にはない落ち着きがありました。

 女の子は皆お絵かきに夢中。
 みんな、かなり絵がうまくて驚きました。
 
 Dくんも来てくれて、藤原さんと、荷物を置きに、家までついていきました。
 なんと、Dくんは、私たちにもお茶をいれてくれました !
 まだ6歳なのに、他の人を気遣える優しさに感動しました。


 走って集会場に向かう途中、私が、
「昔バスケしてたんだ」
と言うと、
Dくんは、
「教えて !」
と言ったので、一緒にドリブルやシュートを練習しました。

 しかし、集会場の前は車が通り、砂利で足場も悪く、バスケの練習をするのには危険でした。
 仮設住宅には広場もなく、やはり遊び場が不足しているなと感じました。

 集会場に戻ってからは、Dくんは、ジャスティンと逆立ちの練習やかけっこをして、元気に遊んでくれていました。


 Dくんと遊んでいると、グーで殴ってきたり、ジャガイモのおもちゃを勢いよく投げてきて、当たると私でも痛いと感じるほどでした。
 外は危険なので、全力で駆け回る広場がないから、遊びたい気持ちが有り余っているのではないかと思いました。

 これからDくんが大きくなると、サッカーやバスケができる大きな広場が必要になってくる。
 遊び場がないとますますストレスがたまるのではないかと心配になりました。



 17日は、午前中、未来商店街でミサンガづくりの材料を買い、正午から仮設住宅に行きました。
 小学校の陸上競技会から帰ってきたB子ちゃんとE子ちゃんをまず家まで送ると、B子ちゃんが中に入れてくれました。
 私は初めて仮設住宅の中に入りましたが、想像以上に広く、たくさんの人形が飾られていました。

 集会場に戻ると、A子ちゃん、B子ちゃん、E子ちゃんはミサンガづくりに真剣に取り組んでいました。

 午前中、集会場で開催された栄養教室に参加しておられたFさんとGさんも合流してくださいました。
 FさんとGさんはとても手先が器用で、素敵なプレゼントを頂きました。



 Fさんは、
 「これは普段から作っていて、ボランティアの方が来られたら渡しているのよ」
 「いつも来てもらってばかりで、何もできないから」
とおっしゃっていました。



 Gさんは夕飯の支度があり、先に帰宅され、Fさんは、
 「私はひとり暮らしだから(夕飯の支度が)遅くてもいいの。(旦那さんは)いるけど、いないのよ」
とおっしゃった。
 次の言葉がでてきませんでした。
 それは旦那さんが他県に単身赴任されているからだと伺って、心からホッとしました。
 初めてのボランティアでも、お話を聞くだけで言葉に詰まったことを思い出しました。


 Fさんは、
 「震災からだいぶ経つけど、速いようで遅い。でも、震災がなかったら、あなたたちとは出会えてなかった。」
とおっしゃっていただき、胸が熱くなりました。
 震災が起こらなければよかったのは確かです。
 しかし、このボランティアを通してたくさんの人と出会えたことは、本当に私にとって何にも代えられない宝物であり、この出会いをもっと大切にしていきたいと思いました。
 Fさんは神戸大学の方とも頻繁に連絡を取っておられるそうで、人との出会いをとても大切にされているのだと感じました。