陸前高田合宿レポート (19) 〜エゾイシカゲ貝、仮設住宅

平尾 (3回生)
 9月9日から9月12日にかけて、岩手県陸前高田市へゼミ合宿に行きました。
 今回の合宿ではゼミ生を、カラオケ・手巻き寿司班、漁業班、気仙茶班の3つのグループに分けて10日、11日の二日間に亘る活動を計画。
 私は一日目は漁業班、二日目はカラオケ班として活動させて頂きました。

 漁業班、手巻き寿司班、現地視察での体験や見聞、その感想を書こうと思います。

1. 漁業班
 一日目は、長部魚港付近にて、ゼミ生4名でお手伝いをさせて頂きました。
 内容は主にエゾイシカゲ貝の養殖作業のお手伝いです

 思った以上に肉体労働が多く、炎天下の作業だったので、その分疲れましたが、それ以上に、協力して作業をする一体感のようなものを味わえて、楽しかったです。

 作業中、漁師さんに
「(作業は)どうだ?」
と聞かれ、
「体を動かせて気持ちいいです!!」
と答えると、
「毎日やってないからだよー」
とからかわれてしまいました。笑

 普段は経験できない作業に新鮮さを感じていたのもそうですが、今思い返してみると、漁師さんたちの『親しみやすさ』があってこその『楽しさ』だったのかな、と思います。

 私はYさん一家の作業場でお手伝いさせて頂いたのですが、実際、気を遣って頂くことも多く、時には冗談や笑い話をして頂いたり、お昼時にはお弁当だけではなく、ホットケーキやきゅうりの漬物、また、エゾイシカゲガイを頂き、ウニのおにぎりも頂きました。

 エゾイシカゲガイは、歯ごたえと甘みがあり、何も付けなくても美味しく頂けて、本当にうれしかったです。

 きゅうりの漬物が本当に美味しくて、
「気に入ったんなら、もっと食べ」と勧めて頂いたので、お言葉に甘えてたくさん食べてしまいました。笑

 その他にも、牡蠣の養殖現場を見せていただいたり、午後の作業終了後には、Oさんに、「いろいろ見るのも勉強だ」と、箱根山の展望台まで連れて行って頂きました。

 広田湾から大船渡湾までを一望でき、そこから見た景色は本当に綺麗でした。(もっと別の表現の仕方もあるのでしょうが、自分の表現力の乏しさに呆れます)

 お手伝いをしに行った側の私たちが、逆にいろいろと気遣って頂き、その度にそのご厚意をありがたく思うと同時に、まだまだ私たちの努力の足りなさを痛感し、作業中は「もっと力にならなくては!」と一人静かに奮起していました。

 ブログで書くというのも違うかもしれませんが、改めてお礼を申し上げいたいと思います。

 一日だけ漁業班としての参加でしたが、何から何までお気遣いして頂き、楽しく作業することができました。


 本当にありがとうございました!!


2. 手巻き寿司班
 二日目は、高田一中の仮設住宅集会場で手巻き寿司パーティをしました。
 前回好評だったことと、やはり現地の食材と、現地の方々の御協力を得て開催することのできる手巻き寿司パーティを再度開催させて頂きました。

 前回に引き続き、鶴亀鮨さんにご協力して頂き、私は、準備して頂いた寿司ネタや酢飯などの準備、運搬をしました。

 鶴亀鮨の大将、ご家族、加えて、今回は、自転車で全国一周していらっしゃるお二人にも協力して頂きました。
 (二人はもともと友人ではなく、別々に出発して、たまたま同じ時に鶴亀鮨さんでお世話になり、働いて旅費を貯めているそうです。)

 初めて大将と直接お話をしたのですが、本当に気さくな方で、終始笑顔の和やかなムードで準備作業をさせて頂くことができました。

 朝早く、それも今回はこのパーティのためにお店をお休みにしてのご協力。
 このようなご厚意があったからこそ、今回のイベントを何不自由なく開催することができました。

 イベントではたくさんの笑顔と温かい場をつくることができました。

 ありがとうございました。


 平日開催でしたので、参加者の人数も心配だったのですが、皆さんお忙しい中、手巻き寿司パーティに来て下さった。一日目の鈴木旅館でのカラオケ大会に参加して下さった方々も、両日参加して下さった。

 前もって告知はしていましたが、それでも、このような温かい歓迎をして下さることには、改めて感謝すべきだなと感じます。

 「参加者の皆さんと一緒に手巻き寿司を食べながら歓談し、楽しい時間を過ごして頂く」というのがイベントの趣旨なのですが、「もっと食べなさい!」とお寿司を作って頂いたり、場の雰囲気を盛り上げて下さったりと、逆に私たちが楽しい時間を過ごさせて頂いたり、気を遣って頂くことが多く、人の温かさを感じる場面が多かったように思いました。

 
3.現地で見たこと・考えたこと
 山から削った土を運び、津波で流された土地をかさ上げするための巨大ベルトコンベアー。
 約半年前に私達が目にした時は、まだ建設されたばかりで、稼働していませんでした。

 それが今では、山から何キロも先の土地まで伸びるコンベアーと、それにより運ばれた土で盛り土が造られていました。

 今回、特に印象的だったのは、道路沿いに設けられた花壇です。

(震災前から活動を続けている「フラワーロード陸前高田」[鈴木勝井代表]や全国のボランティアの方々が作った花壇)


 私は、それを、とても尊くて愛おしいものだと感じました。

 正直なところ、約半年でこれほど変わるのかと思う一方、その光景を素直に喜べない自分もいました。

 確かに、宅地造成工事が進み、前回来た時よりも、スーパーやコンビニ等も多く建設されていました。

 ですが、陸前高田市民の多くは、震災から三年半経った今もなお、仮設住宅での暮らしを余儀なくされています。

 集会所に掲示してあった住民アンケート回答一覧(千葉大学)を見ると、イベントの際には笑顔で私たちを迎えて下さる方々も、困っていること、悩み、不満がたくさんあります。

 仮設住宅の狭いスペースで、周囲との関係を保ちつつ、毎日を過ごすことには、それだけでも精神的負担になります。

 アンケートの回答欄に書けることで収まるはずもなく、皆さんそれぞれに、表には出さないで、じっと我慢していること、忘れようと努力していること、忘れられないことがたくさんあるのだと思います。


 9月11日の14時46分、震災からちょうど三年半。
 手巻き寿司パーティに来て下さった皆さんとゼミ生とで黙とうをささげました。
 黙とうの最中、これまでのゼミ活動のこと、そこで聞いたお話、震災の映像などが頭をよぎりました。

 黙とう終了後、私を含めゼミ生の皆は、何も言えずに、ただただ黙っていることしかできませんでした。
 最初に口を開いたあるおばあちゃんが、
「早かったなぁ……ほんとうに早かったね。」
とつぶやきました。

 その後は、震災当時のお話を聞かせて頂きました。

 聞いている間は、正直、泣かないように我慢することで精一杯で、おばあちゃんの「早かった」という言葉がずっと頭に残っていました。

 私たちの前で見せて下さるたくましさや、笑顔の裏で、つらいこと、悩み、精神的負担をたくさん抱えている人がいる。

 このことを念頭に置きながら、今後のゼミ活動を考えていくべきだと感じました。


 一日目にOさんに連れて行って頂いた箱根山の展望台。広田湾から大船渡湾まで一望でき、「綺麗だな」と感じました。
 同時に、当時の震災の話や、今年2月合宿の際に見た、「海まで広がる何もない市街地を見た時の、あの胸を締め付けるような苦しさ」が頭をよぎりました。

 地元の人たちの目には、あの市街地の景色や海は、どう映るのでしょうか。

 そんなことを考えてしまいます。

 二度の合宿を経て、私たちのゼミで出できることは何か、そしてそれは、現地の方々にどのような形で貢献できるのかを改めて考えていきたいと思います。