陸前高田合宿に向けて [事前学習]

 先日、NHKあさイチ」で、「被災地に広がる生活不活発病」について紹介されていました。こちらです。学術用語では「廃用症候群(disuse syndrome)」と言うそうです。

 下は、番組の中で使われていた「生活不活発病の悪循環」の図です。


 番組に出演されていた大川弥生氏(国立長寿医療研究センター・生活機能賦活研究部部長)による生活不活発病の解説はこちらです。

 大川氏のオリジナルな図は下記です。

 (出所) 大川弥生「生活不活発病に気をつけよう」2012年7月18日、障害保健福祉研究情報システム(DINF)

氏によれば、「災害後に生活が不活発になるのは、『動きたいのに動けない』理由がたくさんあるためです。『動けない・動かない』主な理由は、大きく、『することがない』、『遠慮』、『環境の悪化』の3つに分けることができます。それらは互いに関係しあい、図2の矢印で示したように、互いに促進しあう相互作用があります。」
 
 論文では、生活不活発になる主な理由の具体例が挙げられています。
(1) することがない
・自宅での役割(家事・庭いじり、畑仕事、など)がなくなった
・地域での付き合いや行事がなくなった、
老人クラブや趣味の会が休止中、解散した、など
(2) 遠慮して(遠慮させられて
・「災害時に散歩やスポーツをするなんて」と思われそう
・家族の「危ないから外に出ないで」、「年だから動かないで」
・「迷惑になるから動かないで」
ボランティア等支援者の「自分達がやりますから」
(3) 環境の変化
・家の中や庭が散乱したり、周囲の道が危なくて歩けない
・行きたい場所がなくなった
・外出しにくい(交通機関が少ない、一緒に外出する友人・家族がいなくなった)
・本人ができるのに周りがやってあげる


 『環境の悪化』『することがない』そして『遠慮』


 震災後、することがなくなった
 被災者一人ひとりが価値を置く「人生」に関わる、とても重たい言葉です。
 生活不活発病は、社会への参加度合の低下や環境条件の悪化にも関わるものなので、経済学を学ぶ私たちも考えなくてはならない大切な問題だと思います。
 また、今後の私たちの活動の在り方にもかかわります。
合宿前にじっくり読んでいただきたいです。


(出所) 大川弥生『生活機能低下予防マニュアル〜生活不活発病を防ごう〜』障害保健福祉研究情報システム(DINF)



【「生活不活発病」をもっと深く知るための参考文献】