陸前高田合宿レポート (5)

若林
 大阪のような都会、仙台から3時間ほどバス移動。
 陸前高田は吹雪。
 

 寒い、寒い、寒い。
 買い出しの際、私の質問に、え?はい?え?と、マイヤの店員さんは聞き取れていない様子でした。
 陸前高田に来たのだと実感しました。

 大量の買い出しを終え、凍った地面を歩きながら、鶴亀鮨さんへ。

 みなさん、とても気さくな方々で、私たちを「ナイアガラの滝」で大歓迎してくださいました。
 先輩の写真がたくさん飾ってあったり、「観光客用」と書かれた歓迎道具も置いてあり、寒さを忘れるほどの温かさを感じました。

 イベント前日の仕込みや打ち合わせなどで睡眠時間が短く、不安いっぱいで迎えたイベント初日。
 話題が震災のことになったらどう対応するべきなのか。
 そう思いながら集会所に着くと、ちょうどラジオ体操の時間で、おばあちゃんたちが集会所前に集合されていた。
 おばあちゃんたちの表情はキラキラしており、私の不安は少し消えました。


 イベント開始。
 手巻き寿司は大盛況でした。
 様子を見回る私たちに、
「あんたも食べ、食べ」
と、手巻き寿司をどんどん巻いてくださいました。
 とても楽しそうでした。
「こんな若い子たちに囲まれて、美味しいもの食べられて、幸せ!」。
 手巻き寿司をみんなで食べる習慣がないと言っておられたので、去年に引き続き、いい企画になったなと思いました。
 おばあちゃんたちはとてもパワフルで、みなさん、海苔と笑顔がとてもお似合いでした。


 次第にチョコレート企画に移りましたが、ここでもみなさんはパワフル。
 トリュフをたくさん丸め、服にココアパウダーが着いてしまっても気付かないくらい夢中になって下さる方もおられました。

 手巻き寿司とチョコレート作りが終わると、仲良く話していたおばあちゃんたちは、
「ちさちゃん、また来るね」
といったん帰られました。
 が、ダンスが始まる時刻よりも少し早く、またおばあちゃんたちが来て下さいました。
「○○さ〜〜んっ!!!待ってましたよ〜〜〜」
と駆け寄ると、私の手を握ったり、ハグをしてくださったりと、
「ほんの数時間で、こんなにも仲が深まった!嬉しすぎ!」
と感じました。

 続いてはダンスの企画でした。
 AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を踊りました。
 私も、振付を憶えるのに苦労したので少し心配していましたが、みなさんとてもお上手で、開始数分で、
「こりゃいける」
と確信しました。

 「おにぎりっ おにぎりっ つーえっ つーえっ」
が今でも頭から離れません。
 ダンスから二週間が経過しまたが、一緒に踊って下さった方々もまだ頭から離れていないのではないでしょうか。
 インパクトのある振付の覚え方を編み出したダンス班のアイデアに感動です。
 休憩時間にも、「おにぎりの次はなんだった?」と聞かれることもありました。
 休憩時間も復習を欠かさないなんて、何て意識が高いのでしょうか。(見習わなあかん・・)
 ややこしいところも、
「楽しければいいのよ」
と笑顔で踊っておられて、私も、
「そうですよね!!」
と言いながら、笑顔で何度か間違えました。

 一日目のイベントが終了。
 私の名前を憶えて下さったりと、仲良く話して下さったおばあちゃんたちとお別れするとき、とても寂しく感じました。
「明日も来て下さい!」
と言う前に、
「明日も来るからね、ちさちゃん !」
と、笑顔で集会所を出られました。
 一日でこんなにも人を愛することができるのかと思いました。
 もっと笑顔が見たい。
 もっとたくさん話したい。
 もっといっしょに過ごしたい。
 心から、強く、そう思いました。


 2日目も陸前高田は寒く、足先の感覚を失うくらいでした(足用のカイロは必須です)。
 集会所に着くと、昨日と同じくラジオ体操をしました。
 体も心もポカポカに。
 2日目は餅つきとチョコレート作りの企画でした。
 白味噌、お出汁、あんこ、キナコと4種類の食べ方があり、みなさんからは大好評。
 「お雑煮といえば白味噌!」という私は、ゼミ生の中ではマイノリティー。
 しかし、来て下さった方々からは、「初めてだったけど、白味噌、美味しかったよ」
という声が多数。
 とても嬉しかったです。
 おかわりされる方や、家族に持って帰られる方が多く、「売り切れ」もありました。

 ある女の子が、作ってたチョコレートをゼミ男子にプレゼント。もらった男子たちはとても嬉しそうでした。


 「また来るね」と言って一旦家に帰られたものの、なかなか来られないので、もう会えないのかと思い悲しんでいると、
「もう会えなくなると思ったら寂しくてね、来たよ」
と、また来て下さった。
 うれしかった。
 本当にうれしかった。

 楽しい時間も終わりを迎えました。
 京都と岩手では簡単に会える距離ではありません。さらに悲しくなって、次いつ会えるのだろうと思いながら、強く握って下さる手をなかなか離すことができませんでした。
 「次、いつ来るの?」
と何度も言われました。
 何度も涙が出そうになりましたが、笑顔でお別れをしました。



 この合宿で、私は、たくさんの「愛」をいただきました。
 私は、不安ながらも、「陸前高田にたくさんの笑顔を届けるぞ」と意気込んでいましたが、振り返ると、私のほうが元気と笑顔をもらっていました。
 これは私に限ったことではなく、みんな言っていました。

 しかし、女性の方には多く来ていただきましたが、男性はごくわずかでした。
 イベントに足を運んで下さった方々は、自分がいる場所が被災地であることを忘れるくらい、笑顔で楽しそうな方ばかりでした。
 今後は、男性や、今回来られなかった方々に焦点を当てた企画を考える必要があると思いました。

 また、「メンバーは違っても、今年も来てくれてありがとう。」
といってくださる方々がおられて、同じ場所に何度も行くことで、みなさんの支えに繋がるのかなと感じました。



 2020年の東京オリンピックの開催決定は日本を活気づけましたが、被災地の多くの方々は復興の遅れに対する不安を抱いています。
 この問題の存在自体、気づいていない人も多くいると思います。
 震災からまもなく4年。
 その間に、日本で数々の出来事が起こる中、震災が一つの歴史になってしまうことを何よりも恐ろしく感じます。
 そうなってしまわぬよう、一人でも多くの人たちに被災地の現状を知ってもらいたいと思いました。

 高田一中の仮設住宅の方々との出会い。
 忘れることなく、大事にしていきたいです。

 本当にありがとうございました。