岩手県産・宮城県産の牡蠣の復興指標

 2回生向け基礎演習、3回生向け演習ともに、牡蠣の養殖や、気仙沼の漁師・畠山重篤氏が提唱する「森は海の恋人」運動について学んでいるので、参考データをこのブログにあげておきます。

漁業経営体が営んだ漁業種類 (主要な海面養殖のみ)


(出所) 農林水産省「2013年漁業センサス結果の概要(確定値、平成25年11月1日現在)」2014年12月25日

 この『漁業センサス』によれば、カキ養殖を営む漁業経営体は、岩手県では、2008年の618経営体から2013年の151経営体に大幅に減少し、4分の1になってしまいました。
 また、宮城県では、2008年の1,114から13年の510に半減しました。
 東日本大震災の被害は甚大で、廃業を余儀なくされ、カキ養殖を営む漁家の数は大幅に減少しています。
 このような供給主体そのものの減少により、震災前の生産量を回復させることは、困難な課題だと思われます。



農林水産省『漁業・養殖業生産統計年報』 カキ(殻つきベース) 単位:トン

(出所)農林水産省『漁業・養殖業生産統計年報』



宮城県産カキの流通経路


(出所)「みやぎ漁連 多数の事業者が参加するトレーサビリティシステム(品目:カキ)」(『トレーサビリティシステム導入事例集』2005年)
 「カキの生産は、漁業権を管理する漁協から場所を割り当てられ、筏や延縄を設置し、そこに稚貝を吊るして1〜2年程度栽培する。そして生産者が殻を剥いて、剥き身にして出荷する。ここまではおおよそ全国共通である(殻付のまま消費地市場に出荷する場合もある)が、生産者の出荷以降の流通経路が地域によって大きく異なる。
 例えば広島県では、加工業者が生産者から直接、あるいは仲買人を通して買い付けることが多い。
 これに対して宮城県では、生産者が漁協を通じて漁連に委託出荷し、漁連が買受人(約50社)に販売する。販売方法は県内に3か所ある漁連支所の共販所で、ほぼ毎日開催される入札取引が中心であり、一部は入札ではなく相対で販売される。
 買受人の多くはパック製造を行う加工業者であり、基本的に宮城県内にある自らの工場でコンシューマーパックを製造し、全国に販売する。漁連から買受人への販売価格は平均で約1200円/kgであるが、年や時期により、価格は大きく上下する。」(同上書、p.65)



築地市場における取扱数量(単位:トン)
【殻つきカキ・岩手県産】

(出所) 東京都中央卸売市場 市場統計情報

 岩手県産のカキ養殖の復興度について、2014年の「殻つきカキ」の取扱数量の数字で見ると、震災前2009年の半分以下です。
 今年後半期からの出荷動向がとても気になります。



【殻つきカキ・宮城県産】

(出所) 東京都中央卸売市場 市場統計情報

 宮城県は、震災前に比べて、殻つきカキの取扱数量を増やしています。


 築地市場における岩手県産・宮城県産の殻つきカキの取扱数量を折れ線グラフで表示したものが下記です。

(出所) 東京都中央卸売市場 市場統計情報


【むき身カキ・岩手・宮城・広島・兵庫】


(出所) 東京都中央卸売市場 市場統計情報


(出所) 東京都中央卸売市場 市場統計情報

 「むき身カキ」については、岩手県産も宮城県産も、震災前2009年の半分以下だということがわかります。


 昨年までの動向は、こちらこちらのブログ記事を参照してください。