陸前高田合宿レポート 3回生 (2) 気仙茶


 9月14日から4日間、ゼミ活動としての2回目の東北、陸前高田へ行きました。

 今回の活動では、前回の仮設住宅班と漁業班に加えて、気仙茶班を結成しました。
 「二の腕の太い選抜メンバー」で結成された気仙茶班で、私は活動をしました。

 初日は移動日で、海鮮を食べたり、仙台城跡に行き、観光を楽しみました。
 3時間の高速バスを降りると 「帰ってきたな」と涼しい陸前高田を見渡しました。
 BRT「陸前高田」駅や、土砂を運ぶベルトコンベヤーの撤去開始や、三陸縦貫道路の橋げたなど、前回には無かった建物が見受けられ、まだまだとはいえ、少しずつ「町の復興」は進んでいるのだと感じました。


 2日目、男子4名+女子2名+5回生1名の7名で、「気仙茶の会」の菊池会長のお宅を訪れました。
 その道中、りんごの木を見かけました。
 りんごが成っているのを見たことがなかったので、
「ひとつくすねてみたいね」
などと話しながらの楽しい道のりでした。
 「アップルロード」と呼ばれていることを知りました。



 菊池会長宅に着くと、会長、奥様の東代子さんが迎えてくれました。
 お茶をいただきながら、歴代の伊達ゼミの先輩方の活動のお話を伺い、写真などを見せていただき、自分たちの活動のイメージを膨らませました。



 この日の活動は、菊池会長、小野事務局長、前田さん、佐藤さん、文子さん、リンゴ農家の大和田さん達と、小友町の「川原園」での草取りでした。
 川原園に着くと、自分が想像していた茶畑とはまるで違いました。
 どこに茶畑があるのかわからないほど小さな茶畑でした。
 前田さん手作りの紙芝居で、この川原園が津波で被害を受けたこと、そのせいで小さくなってしまったことを知りました。もともとは腰のあたりまである立派な茶畑だったそうです。
 前田さんの紙芝居を見た後、茶の樹の周辺に貝殻が落ちていることに気づき、「津波の爪痕」を感じました。
 同時に、この茶畑に「強さ」も感じるようになりました。
 
 
 この場所は、広田湾側からと大船渡湾側からと、両方から津波が押し寄せ、ぶつかったところで、その衝撃はものすごかった、と菊池会長はおっしゃっていました。

 木が立っているところまで津波がきたそうです。
 休憩中にその場所に立ってみると、かなり高い場所です。
 津波の恐ろしさ、規模の大きさを感じました。


 「川原園で作業をするのだから」と、この茶園の世話をなさっていた故・川原さんのことを前田さんに教えていただきました。
 小友町の正徳寺の檀家総代で、地域のリーダー的存在だった方、
 誰に対しても分け隔てなく接する、とても優しい方だったそうです。

 川原さんは津波の犠牲になりました。この茶園も津波で枯れてしまったと思われていたのですが、その悲しみの大地から、新しい茶の樹や芽が生えてきていたのを菊池会長が見つけたそうです。
 茶の樹の生命力に心動かされ、「川原園を残していこう」と、気仙茶の会が管理を引き受けることになりました。
 今回、私たちが関わらせていただくにあたり、とても大切な茶園であることを再認識し、一生懸命、活動しました。


 作業中も休憩中も、気仙茶の会の皆さんは、私たちに気さくに話しかけてくださり、とても楽しい時間でした。

 休憩では、なんと、気仙茶をいただきました。
 今まで飲んできた宇治茶とは味が違いました。
 「香りが爽やかで、飲んだ瞬間の甘みの後、程よい渋みが美味しかった」
などと、生意気なことも言わせてもらいました。


 川原園は海にの近いので、潮風が気持ちよく、日当たりも良い茶園でした。

 大和田さんが「リンゴはこの潮風のミネラルを含んで美味しくなる」とおっしゃっていて、「それで気仙茶も美味しいんだ」と皆さん笑っておられました。
 本当にそうだと思いました。

 お昼には、念願のリンゴをたくさんいただきました。
 おもわず皆で丸かじりしました。
 さっぱりして、甘くて、何個でも食べられます。
 本当に美味しかったです。


 午後からは岩手県立大学の山田先生と里舘さんが合流し、一緒に作業を進めました。
 草取りが終わると、「少し刈ってみようか」と、菊池会長に袋付き手ハサミをお借りして、綺麗な葉を見極め、茶刈りをさせていただきました。

 気仙茶を「刈る」という貴重な体験をさせていただきました。

 川原園には、茶の実がたくさんなっていました。

 実を取る作業も行いました。
 種としてはもちろん、油にもなったりするそうです。


 作業の後は、ゼミ生を全員呼んでくださり、ホタテや秋刀魚、ホルモンもたくさん用意して、伊達ゼミ歓迎BBQを開いてくださいました。
 三陸の絶品に舌鼓しました。
 とても美味しかったです。
 本当にごちそうさまでした。



 3日目、及川副会長、及川さん、小野さんと、及川園で活動しました。
 ここの雑草はすごかったです。

 2カ月の間、手をかけれていなかったそうでしたが、茶畑とは思えないほど、まさにジャングルでした。
 及川副会長も驚いておられました。


 川原園と同様、海の近くで日当たりが良く、潮風のミネラルに、雑草がグンと伸びる大地のエネルギー、これが気仙茶の美味しさなのかと思ったりしました。
 皆それぞれ、真剣に草を刈りました。

 昼ころには、少し茶畑の形が出てきました。


 帰り道に、及川さんが「見せたいものがある」と、ある場所に連れてくださいました。
 そこには「高田松原を守る会」と書いてあり、小さなマツの苗木が広がっていました。
 茨城から頂いたというクロマツの苗木が1000本、そして高田松原のマツボックリの種から奇跡的にできた苗木が400本ありました。

 高田松原のマツの苗木にはマツボックリができていて、「第二世だね!」と及川副会長は喜んでおられました。

 茨城の苗木は、平成28年度、高田松原に試験的に植えるそうで、高田松原の苗木は29年度から3年かけて7万本植えるそうです。 
 また、その場所には、マツだけでなく、様々な種類の草木を保管してあるのをみました。
 樹の生命力の強さを感じ、復興に向けて育っているマツに敬意を表したいと思います。
大切なものを見せていただきました。

 そして、午後からも全員で頑張って、全体の草取りを終えることができました。
 皆、達成感でいっぱいでした。


 今回の活動は草取りでしたが、将来、地域の方々で茶摘みができる状態をつくっていく活動に「誇り」を持つことができましたし、またそれが、「今、私たちのなすべきこと」だと感じました。

 気仙茶といえば、在来種の自家用茶が多いです。
 葉が小さく、少し硬いのが特徴です
 雑草が伸び放題でしたが、それがまた自家用茶らしくて、のびのび育ったお茶は本当に美味しいのだろうと感じました。

 震災から4年半経ちましたが、まだまだ復興は進んでいない陸前高田

 それでも、今回の活動で、いろいろな話を聞き、見て、触れて、気仙茶の会の皆さんからも、茶の樹やマツの樹からも、「復興への強い気持ち」をもらいました。

 伊達ゼミで、気仙茶の「夢の途中」(及川副会長 談)をずっと応援していきたいです。