陸前高田合宿レポート 3回生 (12) 仮設住宅

西川
 9月の陸前高田は、夜は半袖では耐えられないくらい寒かったです。私たちの合宿中は天気がとてもよく、日が照っている間は暑いくらいでした。
 私がここへ来るのも2回目。
 前回よりも気を引き締めてのぞもうと強く思っていました。
 また、今回は、仮設住宅に個別訪問するという伊達ゼミ初めての試みなので、「不安」と、(みなさんとのより深い交流を期待して)「たのしみ」という気持ちもありました。

15日(1日目)
 まずは、番外編から。
 私は(大学のソフトテニス部に所属しているので)、今回、高田一中のソフトテニス部の練習に30分ほど参加させていただきました。
 お昼休み、校舎と仮設住宅との間の狭い道路でテニスをしていた生徒2人と出会いました。
 生徒たちと話している間に、「15時からの部活も、見に来て欲しい!」と言われ、参加することになりました。
 顧問の先生にも、素性や事情を説明し、了解を得ました。
 テニス部のみんなは、初対面の私を「西川くん!」と呼んでくれて、すぐに打ち解けました。

 中学生たちはとても笑顔満点でテニスをしていて、私もすごく楽しかったです。
 短い間でしたが、すごく充実した時間でした。
 次回訪れるときも、見に行きたいと思います。



 さて、私は仮設住宅班で、高田一中の仮設住宅で活動していました。
 この日は、二人一組のペアに分かれて、「生活不活発病チェックリスト」を使い、仮設住宅に住む高齢者世帯を訪ねていきました。

 「生活不活発病」とは、生活が不活発になることで、全身の機能が低下する病気のこと。
 仮設住宅に住まわれている高齢者は、外に出る機会があるのか、そして健康に過ごされているのか。
 とても心配でした。
 「私たちが心配していることを伝えたい」。
 このような思いから、私たちは、生活不活発病のチェックをすることにしました。

 直接記入してもらうのではなく、会話の中で何気なく「日頃外出はしていますか」「家にいるときは何をしているのですか」などのワードを入れながら、チェックしていきました。
 結果の数字だけを求めるような、アンケートの《調査者―調査対象者の関係》ではいけない、という考えからです。
 また、チェックだけが目的ではなく、集会場でのイベントにお誘いしたり、会話することで、少しでも外出のきっかけへとなればと考えていました。


 私たちが、最初に訪問したのは、一人暮らしのAさんです。
 Aさんは、最初、私たちに警戒していたのか、あまり私たちの顔を見ずに、標準語で話をされていました。「方言なんて今は話さないよ」とも。
 どちらかというと、私たちを迷惑だと考えているように感じました。
 それでも、世間話や他愛もない会話をしていく中で、時折、笑顔が見られるようになりました。
 「家事も自分でこなしていて、特に一人で不便なことはない」とおっしゃっていました。
 家の中では、「テレビを見ていることが多い」そうです。「テレビと話している」とも。
 買い物は、「坂道が大変なので、仮設団地に来る移動販売車で買う」といっていました。

 Aさんと話していくなかで、だんだんと心も打ち解けて、和菓子をご馳走になりました。とても優しくて元気な方でした。

 震災の話もしてくださいました。
 私の名前が、震災で亡くなられた「孫の名前と同じだ」と言っておられました。

(続く)