2月9日(土)、和み喫茶2日目の速報です。
高田一中の仮設団地に行くためには、急な坂を上らないといけません。昨日は、雪で路面が凍結していたので、ツルツル滑って、車はもちろん、私たちの足でも登るのはかなりしんどかったです。
別の場所に階段もありましたが、とても急で、手すりが付いているものでした。
マイヤのお買い物バスが運行されているとはいうものの、散歩、買い物など、高齢者が自力で歩いてどこかに行くのは、かなり困難です。
向こうに見えるハゲ山の土が、昨日、小谷園さんのところで見た災害公営住宅の盛り土に使われているようです。こんな「山」が、これから陸前高田にどんどん増えていくのでしょうか。
坂の途中から見た高田の市街地。更地が広がっています。
これを嵩上げするのに、どれだけの時間が費やされるのか。
眼下には、高田一中の仮設グラウンドがあり、野球の練習をしていました。
ぼーっと眺めていると、そこに偶然、昨夜あったかいホルモン鍋を食べた「車屋酒場」のマスターが通りかかって、「お〜、みんな頑張れよ〜」と激励してくれました!
今日は会場設営がないので、落ち着いて準備できます。
集会場の玄関には、無料通院バスの時刻表が貼ってありました。
到着後、今日も、仮設住宅を一軒一軒、回っていきます。
休日ということもあり、お子さんと一緒に家に居る方も多かった。
「いつも隣の家の人を誘ってイベントに参加しているの」という方や、「昨日も参加しました。今日も孫と参加します」という人もたくさんいらっしゃった。
一人暮らしの高齢男性Aさんのお宅を訪れた時のことです。
Aさんは、足腰が悪く、耳も不自由なため、補聴器を付けていました。
「体が悪いので、あまり外に出ず、家にいることが多い」とのことでした。
チラシを使って大きな声で「和み喫茶」の案内をしましたが、「行くことはできない」と言われました。
しばらくお話をして、バレンタインのチョコとコーヒーを家に届ける約束をしました。
(午後に、和み喫茶が始まってから、生チョコとコーヒーを持って、再びAさんのお宅を訪れました。
戸が開いた瞬間、「ほんとうに来たの!」と驚いた様子でした。
チョコとコーヒーを渡すと、とても喜んでもらえました。
私の名前も憶えてくださいました。
最後には、笑顔で、「かなちゃん、ありがとう」と言ってくださった。
とても嬉しかった。
私たち外部の人間が被災地でできる活動は、こういう「ちょっとした寄り添い」なのではないかと気づかされました。)
また、昨日、2011年9月以来、私たちのお茶っこサロンを見届け続けてくださっている元・社協の支援員の方とお会いすることができました。今回も、わざわざ集会場に訪ねて来てくださいました。嬉しかったです。
「陸前高田から若者が流出している」というお話と、「在宅医療や介護福祉の人材が圧倒的に不足している」というお話を真剣にしてくださいました。とても重い話でした。
この「若者流出」と「人材不足」とを結びつけることはできないのでしょうか。
龍大にも臨床福祉学科がありますが、短期的には、もっと福祉の専門人材のボランティア派遣を増やすことができないでしょうか。まさに今、被災地で必要とされているのではないでしょうか。
陸前高田は、超高齢社会・日本の「縮図」なのではないでしょうか。
状態改善の手がかりを探しながら、仮設住宅を回りました。
事前のチラシ配布の感触から、この日はかなり多くの住民の方が参加してくださることが判明。
しっかり準備します。
木村屋さんの「夢の樹バウム」を、食べやすいようにカットしておきます。
生チョコの下ごしらえ。
「仮設住宅でできるカンタン生チョコづくり」がコンセプトなので、すべての食材・用品がマイヤで買えることにも心がけました。
(「京都で買い忘れてしまったものがマイヤにあって助かった!」というのが実情か...[笑])
今日は、喫茶終了後に、生チョコを一人暮らしのお宅に配布しに行きますので、多めにつくっておきます。
本日のフィナーレをかざる「うらじゃ音頭」の振付を練習をします。
午後1時、いよいよ「和み喫茶」2日目の開店です。
予想通り、開店早々、すぐに大賑わいになりました。
生チョコづくりも好評です。
小谷園さんの抹茶で「抹茶チョコ」をつくっています。
子供たちも来てくれました。
子供コーナーをつくります。
喫茶コーナーも大盛況です。
厨房からは、うれしい悲鳴があがります(笑)。
高田一中の生徒達も、部活帰りにふらりと寄ってくれました。
中学生は元気一杯で、
「今からバレンタインの材料買いに行く!!」
「誰にあげんの??」
「え?おんなじクラスのひと!」
「かっこいいの??」・・・・
と恋の話で盛り上がりました。
震災の話もしてくれました。
「震災があった日の前から、小さな地震がいっぱいきてた。だから、震災の地震がきたときも、最初は、『やったー!今日も学校から早く帰れる!帰ったら、ゲームして...』とか考えてた。そしたら、クラスの○○(男の子の名前)が『た、立てない!』とか言っててさー」
と、3人で笑いながら教えてくれました。
「次の日からもう暖かいお風呂に入れてた」
「震災太りした」
寒さが厳しい3月の震災の中、暖かいお風呂が被災地のみなさんの大きな癒しとなっただとわかり、少し心が軽くなった。
中学生たちは終始明るかったのですが、この子たちも、震災のときは、怖くてつらかったんだろう、今は友達と一緒にいるから元気なのだろう、余震や津波注意報に怯える日もあるのだろうと思いました。
震災と関係のない話のほうが多かったけれど、そんな中学生と話す時間はとても楽しく、私自身、「幸せ」を感じた。
「チョコの材料、歩いて買いにいくの?」
と聞くと、
「30分くらい歩けばある」
と教えてくれました。
若くないと行けない距離で、買い物難民が生まれているのではと感じた。
昨年9月に実施したお茶っこサロンの記念写真をお渡ししています。
「この人、今日は来てないから、渡しといてあげるわね〜」
「写ってないんだけど、ほしい」
そうおっしゃってくださる方が何人もいらして、写っている人数分焼き増しした写真が一時的に足りなくなる、という小さな「事件」が起こりました(笑)。うれしい悲鳴です。この仮設団地の方々とくに女性陣は、仲が良く、世話好きなんだということもよくわかりました。
「記念写真、今日は撮らないの」「早く撮りましょうよ」と楽しみにされていた方もいらっしゃいました。
「思い出の品々」をぜんぶ流されてしまった被災者にとって、一枚一枚の写真がとても大切なのだと、改めて実感しました。
「くよくよしててもしょうがないから、一日一日を大切にして生きていくの。そう決めたのよ。」
優しい声で語ってくれました。
その証が写真なのだと気づきました。
お渡しした去年9月の写真は、これです。清楚で素敵なお姉さま方です!
陸前高田の街のことを教えてもらっています。
やはり「けんか七夕」・「水上七夕」の話は盛り上がります。
「これは私の町の神輿だ」
「この町はとても賑やかなの」
「お囃子なんかもあっても、お祭りの前の日は、興奮して眠れなかったのよ」
「震災後も、こういうお祭りや伝統は守っていきたい、失いたくない」
とおっしゃっていました。
「できることなら震災前の状態にもどしてほしい」
と語ってくれた方もいました。
今回、私たちが知りたかったことの一つは、震災後2年近くたち、「年配の男性たちは、何を考え、どんなふうに暮らしてらっしゃるのか」「部屋に閉じこもっていらっしゃるのではないか」でした。
「お茶っこサロン」ではなく「和み喫茶」というイベント名にしたのも、コーヒーメーカーや豆を用意したのも、それを意識してのことでした。
皆さんに教えてもらっています。
年配の男性に参加してもらうのは、そう簡単ではないようです。
家族を亡くされ茫然自失の方、一人暮らしで慣れない家事をされている方、病気を患っている方、通院されている方...いろいろな事情を深く考えなければならないことがわかりました。
話題を切り出すことがなかなかできなくて、受け身の態勢になってしまうシーンが多々ありました。
少し後悔しましたが、それでも、おばあちゃんは、元気いっぱいで笑顔になってくれたことがうれしくて、私達もつられて笑顔になりました。
「お茶が美味しい、淹れてくれる子もうまい!」と絶賛してくれ、お茶のおかわりをしてくれたおばあちゃん。
「家では一人だから、みんなで集まって話をすることが楽しいのよ」と喜びの声をあげてくれたおばあちゃん。
私は人見知りで、会話も少なったけど、心が温まった。
集会所へは、一人で行くよりも、知り合いの何人かで集まって行くらしい。
一人で外出することは、おじいちゃんだけでなく、おばあちゃんにも、ためらいがあるのかもしれないと感じました。